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COLONEL GENERAL DE BESSIERS (1766-1813)(塗装-1)

2013/09/13 08:02

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  ブラボーとは

※馬の塗装・仕上
馬の塗装は取り立ててフィギュアと変わるところは無いと言えますが、90ミリクラスの様なものとなれば相当大きなものとなりますので多少の工夫は有って然るべきだろうと思います。
馬を塗装するに当っては、馬の毛色による基本的な呼び方や顔面に表れる模様(星と呼びます)の種類等を予め押さえて置くと良いでしょう。
馬の塗装には幾つかの注意点がありますのでその点を押さえる事により素晴らしい作品が出来ます。
1.馬の目は殆ど白目が無いので、全体に塗り潰してしまう事が多く見受けられますが、視点を定めるために少しだけ白目を残す事。
  馬は人と相違して平面に目がついていませんので、瞳が眼窪の真中に来る事は殆ど無く瞳は前方に寄せて塗装します。
2.馬の毛並みは光線の作用で場所により光り方と色合いが変るので写真や実物を見て研究する事。馬の毛は想像以上に硬いので、特に艶には注意すること
3.馬の鼻先を如何に表現するかによって表情が結構変りますので、塗装時には注意すること。特に口を開けた馬は口中まで気を配る事。
4.馬は54ミリでも案外大きいので、手を抜くと色々と粗が目立つため馬具や貼り合せ面の境目は叮嚀に塗装する事。
5.欧羅巴で18・19世紀の軍隊では、兵科・兵種によっては乗馬する馬の毛色を定めている国があるので、史料等で確認しておく事。例えばフランスでは喇叭手はグレーの馬を重騎兵はブラウンやブラック系の色の濃い馬を使用していました。
今は馬のみの仕上げ塗装を行い馬具や鞍覆いは仕上げ塗装していません。
馬の塗装を行う際に毛並みの種類を知っておくとよりリアルな馬を作成する事が出来ますので、馬の毛並みの種類に就いて下記に示しておきたいと思います。
但し、日本と欧米では呼称や色合いに微妙な相違がありますので双方を記載しておきます。

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  ブラボーとは

①日本に於ける毛並み種類の呼称(特に特徴のある馬)
 セン(唇黒き月毛)  唇だけが黒い馬
 リュウ(鹿毛)    たてがみの黒い赤馬
 ウリュウ(黒鹿毛)  全身がほぼ黒い馬
 セイバ(柑子栗毛)  淡紅の栗毛の馬
 カモウ(月毛)    白毛又は黄毛・白毛の混じった馬
 ブンバ        たてがみが赤く目が黄金色の馬
 ヒ(白雲雀毛)    黄白雑毛の馬
 ラクモウ(河原毛)  黄赤を帯びて、たてがみが黒い馬
 リ(墨の黒毛)    深黒で光沢のある馬
 テッソウ(黒鹿毛)  黒みが勝った赤褐色の馬
 ラク         全体が黄灰白色でたてがみが白い馬
 ケンバ(青毛)    黒色潤沢で青みが勝って見える馬
 ホウモウ(黒葦毛)  青毛に白色毛が多く混じった馬
 ソウ(葦毛)     黒が勝った白色の馬
 ゴマソウ       黒白まだらの馬
 テツモウ(黒鹿毛)  赤黒毛の馬
 ベニクリゲ(紅栗毛) 赤褐色を帯びた馬

②欧米に於ける毛並み種類の呼称
 ホワイト       全身が白い馬
 ブラック       全身が黒い馬
 グレイ        灰色の馬、白馬でたてがみが灰色の馬も含む
 ソーレルライト    栗色の淡い馬
 ソーレルミデアム   標準的な栗色の馬
 ソーレルダーク    濃い栗色の馬
 ベイライト      赤褐色(鹿毛)の淡い馬
 ベイミデアム     標準的な赤褐色(鹿毛)の馬
 ベイダーク      濃い赤褐色(鹿毛)の馬
 アポロッサ      全身に黒い点のある馬で特に頬・肩・臀部に多い
 ピーバルド      胴に黒の斑のある馬
 スキューバルド    胴にレッドブラウンの斑のある馬
 ダップル       特徴的に頬・肩・臀部に白い斑がある馬

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  ブラボーとは

欧米では「ホワイト」と「グレイズ」の区別が吾々の感覚とは相違しており吾々には「ホワイト」と見える馬でも「グレイズ」と説明された馬の写真集もあります。
実馬では何により区別しているのか詳しく判りませんが、欧米の馬塗装の本を見ますと「グレイズ」は灰色の馬の他に白馬でたてがみが黒や灰色の物も含まれる様に書かれています。
また「ソーレル」も「ベイ」も、そして上記の一覧にはない「チェスナット」も英日辞書では「栗色」若しくは「赤褐色」と訳されていますので微妙な色の違いについては、名称の解説が入った写真集等で確認して下さい。
アポロッサとダップルの特徴として英語では「パッチ」と「スポット」と表現されていますが、英日辞書ではどちらも「斑点」と訳されており、実馬の写真から「斑」と「点」にわけて訳してあります。


上記の種別以外に馬の塗装の本には下記の様な名称で馬の種別が書かれています。中には同一名称のものもありますが大半はかなり違っています。

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  ブラボーとは

③欧米に於ける毛並み種類の呼称(パターンⅡ)
 ダークベイ       ベイダークに同じ
 ウルフ         狼の毛色に似た馬
 ブラック        上記のブラックに同じ
 ブラウンベイ      茶色の勝った赤褐色の馬
 アイロングレイ     青みが勝った灰色の馬
 ライトグレイダップル  淡い灰色の班のある馬
 トラウトグレイ     灰色が勝った白鹿毛の馬
 マースグレイ      灰色が勝った鼠色の馬
 ゴールデンチェスナット 黄色が勝った赤褐色の馬
 バーントチェスナット  焦げ色の入った赤褐色の馬
 ストロベリイローアン  赤みが勝った葦毛の馬
 ローアン        葦毛の馬
 ライトベイ       ベイライトに同じ
 カフィイ        暗褐色の馬
 ブライトベイ      ベイライトとミデアムベイの中間色の馬
 チェリイベイ      赤の強い紅褐色の馬

④馬の顔に出る白い模様の種別(写真 上段)
 スニップ           鼻と上唇の間に菱形の斑のある馬
 スター            額にある菱形の斑のある馬
 ストリップ          額から鼻先にかけて通る筋状の斑のある馬
 ブラーゼ           額から鼻にかけて通る幅広の菱形斑のある馬
 スタース・トリップ      額から鼻先にかけて菱形から筋で通る斑のある馬
 スタース・トリップ・スニップ 額から鼻先にかけて筋で通り菱形のある斑の馬
 ボ-ルフェイス        額からはなさきにかけて顔半分が白く現れた斑のある馬

かの有名なコナンドイルのシャーロックホームズ中の「銀星号事件」の馬はスターと呼ばれる斑が特徴の馬が主人公になっています。
但し、この小説の設定では菱形でなく変形の十字形となっており、褐色系の馬にこれ等の斑を表現してやると作品が生きて来る事は間違いないでしょう。勿論これ等の斑のない馬や、斑の明確な馬と斑のぼやけた馬も居ますので色々とアレンジすると良いでしょう。

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  ブラボーとは

⑤馬の脚にある白毛又は黒毛の種類(写真 下段)
 コルネット   蹄と脚の三角形の毛だけが白又は黒い馬
 パスターン   蹄の上から第ニ関節の間が白又は黒い馬
 フェットロック 蹄の上から第二関節の上迄白又は黒い馬
 ソック     蹄の上から第三関節の眞下まで白又は黒い馬
 ストッキング  蹄の上から第三関節の上迄白又は黒い馬

この白又は黒毛が一本の脚だけにある馬、日本にある馬、3本に有る馬、4本ともある馬の4種類がありますが、特に日本では4本共に白い馬を「四つ白」と称して不吉な馬とされ古くから敬遠されています。
欧米では寧ろ4本共死路又は黒の馬が多く使われている様です。又、基本色との境目が明確に出ている馬とそうでない馬がありますので状況に応じて使い分けると良いでしょう。

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  ブラボーとは

⑥馬の明暗技法
馬にもシャディングは必要でフィギュアと同様にチャート形式で幾つかの馬の塗装を下記に示しています。
馬の場合は顔と脚に特徴が出ますので、この部分の塗装をマスターする事によって作品尾出来はより素晴らしくなる事は間違いないでしょう。
チャートはホビカラーを基本にしています。

馬体色   基本色   明部色   暗部色   たてがみ  補注
ホワイト    ホワイト    ホワイト    グレイ    ホワイト    1
ブラック    ブラック   ダークグレイ  ブラック   ブラック   2
グレイ    グレイ    ホワイト    ブラック   ダークグレイ  3
ソーラルライト   ブラウン   バフ    レッドブラウン ブラウン   4
ソーラルメディウム ブラウン   ブラウン   ダークブラウン レッドブラウン 5
ソーラルダーク  レッドブラウン レッドブラウン ダークブラウン ダークブラウン 6
ベイライト   ブラウン   ブラウン   レッドブラウン ブラック   7
ベイメディウム  レッドブラウン レッドブラウン ダークブラウン ブラック   8
ベイダーク   ダークブラウン レッドブラウン ブラック   ホワイト    9
アポロッサ   ホワイト    ホワイト    グレイ    ホワイト    10
ピーボールド  ホワイト    ホワイト    グレイ    ホワイト    11
スキューボールド ホワイト    ホワイト    グレイ    ホワイト    12
ダップル   ホワイト    ホワイト    ダークグレイ  ホワイト    13

1.たてがみを白で塗装しグレイで縞状に塗装する
2.グレイで縞状にたてがみを塗装しメディウムブルーで軽く塗装する
3.たてがみを黒又は白で縞状に塗装する
4.レッドブラウンでたてがみを縞状に塗装する
5.ダークブラウンでたてがみを縞状に塗装する
6.レッドブラウンでたてがみを縞状に塗装する
7.ブラックでたてがみを縞状に塗装する
8.ダークブラウンでたてがみを縞状に塗装する
9.ダークブラウンでたてがみを縞状に塗装しメディウムブルーで軽く塗装する
10.グレイでたてがみを縞状に塗装し全身に黒点を塗装し頬の周り、肩、臀部周りに重点的に点をうつ
11.グレイでたてがみを縞状に塗装し胴に黒の斑点を明確にうつ
12.グレイでたてがみを縞状に塗装し胴にレッドブラウンで明確にうつ
13.重点的に頬周り、肩、臀部周りに影を入れ合せてグレイが乾燥後に頬、肩、臀部周りの暗部に白で軽く点を  うつ

アポロッサとダップルは西部劇でアメリカ先住民がよく乗馬していて有名な毛並みの馬ですが、陸軍では軍馬としては利用されていません。


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コメント2件

陸奥守

陸奥守
詳しいご解説をありがとうございます!
一口に馬と言っても様々な種類や約束事があるんですね~。
大変参考になりました。
この日誌は永久保存版ですね^^

09月15日 00:34このコメントを違反報告する

ロマン・スミルノフ

ロマン・スミルノフ
陸奥守さん
コメント有り難う御座います。
実は手元の馬の写真集には更に違った毛並みの種類が書かれています。
その中にありました毛並みを採用しましたので高級副官の乗馬が下塗りとかなり相違していると思います。
此方も紹介したいと思いますが、コメントを頂いて読み返して降りましたら、「額と脚の模様についてのイラスト」を取り込むのを忘れている事に気がつきました。
製作日誌:追加で今からアップします。

09月15日 09:29このコメントを違反報告する


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