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戦艦大和艤装ジオラマ製作(その5)

2022/07/10 11:51

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  ブラボーとは

アリイ(現マイクロエース)1/250戦艦大和の艤装ジオラマを製作していますが、今回はその5回目です。前回までは艦内の手間どりの有様を書きましたが、今回はいよいよ外装部分、つまり表題の通りの艤装状態の工作部分です。この写真でも分かる通りこのごちゃごちゃ感をどう作っていくのか、基本的に資料はこの写真しかありませんので、これを「読みながら」想像で作っていくしかありません。気が遠くなる製作が安易に想像できる為、少しでも見た目の効果がある部分を先に作っていきます。写真で目立つ箇所は手前の作業小屋と甲板上にある箱状のもの、細かく組まれた足場、そして3番主砲塔です。これらについては手を抜かないようにしていきます。
正直、何にどう使われるのかが分からないで作るのはとても疲れる作業です。ある程度は、他の大和の豊富にある資料をかなり参考にしました。特に、この写真の反対側は全くの想像です。艦船模型のプロの方々であればさっさと作ってしまうのでしょうが、そこは素人、時間が掛かっても良しとしました。

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  ブラボーとは

先ずは作業小屋です。こどもの頃はこれがある事で、「家よりでかい!」とその大和の巨大さに驚愕したものですが、よく見るととても小さいと思われます。扉がありますが、当時の日本人の身長でも少しくぐる感じで入っていたと思います。そこでドアの高さは7ミリ、小屋の高さを12ミリとして、甲板を再現した時に使ったエバーグリーンというメーカーの1ミリ幅のモールドのプラ板を外壁に、屋根のトタン部分を0,5ミリ幅のものを使いました。窓の部分は手持ちのジャンクエッチングパーツを使い組み上げました。
その後、塗装を施しましたが、特に屋根部分は錆を入れましたが艤装開始1年後に温暖な広島県の呉軍港でここまで錆びるのかは考えどころですが、大和のきれいさとの対比で良しとしました。これを2棟作り、資料写真の様になるのか置き直しててみました。

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  ブラボーとは

次に最初に頭を悩ませたのは塗料が入っていると思われるこの一斗缶の山積みです。
とても目立つ代物で中身が分からないとやり難い筆頭でした。しかも3番主砲塔のすぐわきにありとても重要なものと考えました。そこで、メンバーになっている模型のFacebookで「これなんでしょう?」と尋ねたところこれは塗料の一斗缶ですと答えてくれた方がいました。そこで一斗缶の積み上げとして製作を始めました。元自衛官で既に退官された方や現在、塗装業を生業の方もおり、貴重なコミュニケーションが楽しく取れました。「中身が入っている一斗缶を安全管理上こんなに積み上げるはずがない」「いや、昔は安全については度外視だから考えていないのではないか」「今、仕事としてやっているが、一時的ならこれくらいはやらないと効率が上がらない」「そもそも空なのでは」「いや、空ならすぐに潰しているはずなのでこんなに大量に積むのはおかしい」また、「出航前なので調理用油かも」などのとんでも回答もあり楽しんでいました。世の中にはいろいろな人がいるなと感じさせたやり取りでした。
肝心の製作物はとても稚拙なものでしたが、1ミリ角のプラ棒を2ミリの高さに切断し、上げ底を使って「山」を作りました。これに何種類かのシルバーを塗分けただけでしたが、
不器用なせいか何度も作ってはダメ出ししてしまいました。
尚、この頃の塗装は船体と基本構造部分の塗装は終わっており最後の装備品用であったと思います。白黒の拡大写真をよく見ると主砲、副砲、高角砲、そしていくつかの装備品が他の部分と比べて異様に白くなっていることから分かります。作った模型もそれに合わせて色調を変えています

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次は艤装ジオラマの最大のヤマ場と言える足場組です。これが上手くいくと全体が締まって見えるので慎重に考えて作りました。まずは、この時代の足場はどうなっているのかを調べるところから始めました。さすがに金属製ではない事は容易に分かりましたが、どう組んでいるのかこの時代の建築方法をネットで調べてみましたが、昔の工法しかヒットせず、写真以外の資料本のイラストを元につくりました。
スケール的に柱は0.7ミリの角棒(丸棒が良かったのですが手持ちの資材を活用しました)とし、作業員の歩く足場部分は甲板用に用意していた厚さ0.5ミリ、幅1ミリのプラ棒を使いました。これにクレオスの「セール」カラーを塗布して、そこにタミヤエナメル塗料「ダークブラウン」を塗り付けて木目調に近づけました。実際はもう少し淡い色でも良い感じがしますが、とても目立たせたいため、コントラストを強めにしました。
そして、実際の写真でとても足場が目立つ部分である後部艦橋周辺で試してみました。
基本は資料写真ですが、作業員が装備品の設置確認や塗装作業にに必要な高さを考えてみました。(スケールから1ミリ=25センチです)これはとにかく組んでみて、長さの最終調整はプラニッパーで「現場合わせ」という強引な方法です。切り口がプラの白い部分が剥き出しとなっているのはそれが理由です。これでやっと艤装が始まった感じがしました。

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  ブラボーとは

次に足場を組むに当たって、考えたのは足場の基礎部分の場所です。これは作っていて気が付いたのですが、このあと甲板にはいろいろなものが設置されますので、その位置決めがとても大切です。そして、真っ直ぐも必要です。資料写真の拡大コピーに位置を確認するための「線」を何本も引いて妥当な箇所を決めました。その真っ直ぐさを調整するために、マスキングテープを目張りしました。これで縦と横の位置決めがとてもしやすくなりMした。これに合わせて、瞬間接着剤を付けたプラ棒を立てていきました。

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しかし、縦と横だけではブレが生じますので、歩く足場も接着してバランスを見ていきました。もう少し構造的にしっかりとさせることも考えましが、スケールを損なう感じがしたので、これ以上細かい工作は行いませんでした。基本はいわゆるイモ付けですが、少量の接着でそれなりの強度が保てることが確認出来ましたので、この方法で進めることにしました。この時に注意していたのが、強度を考えるあまり瞬間接着剤の付け過ぎについてでした。一見心もとないのですが、とてもがっちりした感じで仕上がっています。過去から実際の建築に合わせて再現すると殆どしっかり組みあがるので、建築方法はとても理にかなっていることを実感しています。尚、この頃の接着には瞬間接着剤、瞬間接着剤ゼリータイプ、流し込み接着剤、普通の接着剤とその時の状態によって自然と使い分けが出来るようになっていました。

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  ブラボーとは

足場は中央の構造物を取り囲むように設置されていたと思われますが、このように艦橋頭頂部にも設置されていることが資料写真から分かりました。しかし、あまりにも小さくて詳細は分からないのですが、おそらくこんな感じではないかと思います。東京タワーを作ったとび職人の方はすごいと思いますが、大和を作った作業員もとても命を懸けていたのではないかと考えさせられました。でも、実物はどう作ったのでしょうか。とても興味があります。ここでは足場の木材の部分と、それを吊り下げる部分は0,3ミリの真鍮棒で再現しました。資料写真では遠景過ぎて良く分からないのですが、一見、支える資材が木製に見えるのは気のせいでしょうか。さすがに危な過ぎます。ぜひ他の方に検証してもらいたいと思います。

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甲板上で存在感を十分に発揮しているこの箱のものですが、おそらく建築現場で必ず出る残材などの産業廃棄物入れだと思われます。資料写真を見るとわずかにそれっぽいものが見える箱があります。またそれを入れているらしい人物も見えます。
ここは想像ですがこのようなものは箱が一杯になって、或いは定期的に浮き桟橋に設置されている可動式の巨大なクレーンで釣り上げられて入れ替えを行っていると思われます。
今回作った浮き桟橋にはそのクレーンのレールも再現してます。そしてこの写真はそのクレーンから撮ったものだと思います。そうなるとこの角度での写真に合理性が生まれます。そのような使われ方から想像するとかなり強度がある木製の箱だったと想像しました。単に板を張り合わせて作ったのではなく補強をしっかりしているとの前提で作りました。資料の形状を確認しながら作りました。今回もまた先に使っていた幅1ミリもモールドがある、厚さ0,5ミリの「エバーグリーン」製のプラ板を使いました。これを15個程度作成しましたが最初のものは2ミリほど大きく、全て並べるとかなりのスペースを取ることが分かったので全て作り直しました。単に蓋無しの箱を作るだけでこんなに手間がかかことに閉口してしまいました。しかし、これはかなり主張するパーツでこの後のレイアウトにも大きな影響を与えるのでやり直しました。これは長期に使っていることを想定して、タールやオイルステインのようなものを塗布しているのでないかと足場より色を濃い目にしました。

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  ブラボーとは

足場と残材箱が出来上がると艤装ジオラマっぽくなって来た感じがしますが、まだまだ細かいパーツ作りがt続きます。モチベーションを上げる為に、資料写真でも目立つ高角砲や探照灯にかぶせられた布部分です。おそらく「セール」地だと思いますがこれを再現しました。当初は海表現で使う「マッドメディウム」を使う事を考えていましたがモデルカステン社から発売されたばかりの「カミカタメール」というものを購入、使いました。これはティッシュ素材を樹脂素材で固めるというもので、乾燥後は塗装出来るという触れ込みでした。使った感想は費用対効果という点では今一つです。唯一の良い点は塗装をし易いというところでしょうか。一番の難点はさらさら過ぎて(水のようです)下地の形状がそのまま出てしまう事です。模型をやってい方なら使ったことがあるであろうデカールのマークフィッターやマークセッターのような感じと言えばわかり易いかもしまれせん。
最初はティッシュペーパーを適当な大きさに切ってましたが、薄すぎたので結局、キッチンペーパーを使い、マッドメディウムも併用しました。それでも下に生地が垂れる感じを出すのに試行錯誤してしまいました。最後に塗装ですが、クレオスの「セール」カラーは黄色みが強いので、薄いグレーを混ぜて色調を調整しました。

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  ブラボーとは

今回の最後は甲板上に多数並んでいる箱状のものです。これは単なる木箱もあると思いますが、浮き桟橋から配線を勘案すると電気設備と考えられます。これを介して艦内、艦上の各作業現場に給電していると思われます。それで木箱ではない状態にするために、ジャンクエッチングパーツから操作盤っぽくみえるものを探して接着しました。問題は色です。カラーで再現された写真やCGで再現されたものを見ると、赤いもの、茶色、グレーなど全く統一感がありません。自分でも昔の給電設備でネット検索してもしっくりしたものがありませんでした。最終的には戦後の電気設備のカラーとして比較的メジャーなグレーにしました。本音ではグレーはこの模型での大部分を占めている色なので避けたかったのですが、妥協しました。これ以外は多少色合いを変えた木製箱の色で地味ながらも多彩な色になるようにしました。
今回はここまでです。
今回はパソコンで入力出来たで長くなってしまいました。「長」長文お付き合い頂きありがとうございました。
次回は最終回の完結編とします。


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コメント4件

ブロンディ

ブロンディ
お疲れ様です
凄い拘りようです。
日誌が無ければ作者の苦労が分かりませんね
また色々な方とのコミニュケーションで形にして
いく所も良いですね。

07月10日 19:19このコメントを違反報告する

やっしー

やっしー
ブロンディさん
長文へのコメントありがとうございます。
場所によっては盛んに情報をやり取り出来ることが出来て面白いと感じます。
でも、最後は自分で判断しないとならないので、ある程度は情報を持ってないとドツボにはまりそうです。
時間を掛けたところの3割くらいしか書けませんが備忘録として記録しています。

07月11日 08:10このコメントを違反報告する

ちょら

ちょら
出遅れコメント、失礼します。
制作過程を楽しんでおられる様子が、文面からひしひしと伝わってきます。
ご友人の方々と様々な情報交換をしながらの製作は特に楽しいのではないでしょうか。
当時の記録が限定されており、現場を知る人がどんどん減っていく状況では、真に正確な再現というのは困難を極めると思いますが、少なくとも実艦写真に限りなく近付いていっているのが手にとるように分かります。
次回はいよいよ完成報告とのこと。
心待ちにしております。

08月14日 13:43このコメントを違反報告する

やっしー

やっしー

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ちょらさん
コメントに気が付かず大変失礼しました。
ネットに投稿して何回かやり取りすると、お互いに信頼関係が生まれるので、生の意見が出て来てとても面白いですね。いきなり言うとトラブルになるかもしれないので不思議な感覚です。お互いに真剣なのでそうなのかもしれません。明らかに知識を自慢したいだけの人は適当に流してしまいますけど(笑)
さて、このコメントをしている時点では既に完成しているのですが、未だに手を入れたくなってしまいます。でも、そろそろ終わりにしますが、保管場所は最大の悩みです。

09月01日 09:02このコメントを違反報告する


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