柏崎星奈 1/7 (硫黄泉) 表面処理完了まで(微細気泡処理の話)④
2014/05/03 23:28
前回の軸打ちの話の補足と今回やったことおよび微細気泡処理の話を
書いてみますね
(1)軸打ちの話の補足
前回の軸打ちの話で述べた「情報転写法」は、ある程度の誤差がでる可能性があります。
軸ずれを許容する接続法を図解して示します。
①写真1にあるように、A部材とB材の間に軸ずれがあると、1.5mm径で開けた
孔に真鍮線を差し込んでAとBを接合しようとしても、上手く合いませんね
②そこで、金属線を比較的柔軟性のあるアルミ線(曲げを許容)にします。
そして、軸孔の浅い所を金属線の径(1.5mm)より大きい径の孔(2.5mm)を開け座ぐり
を形成します。 すると、その大きい径の座ぐり部分で、アルミ線が上手い具合に曲がって
AとBがピタリと接合するわけです。
もちろん、軸ずれがなければこのようなことはする必要はありません(嵌合度合い、節度感が落ちますので)。軸ずれがあった場合の保険ですね。
(2)水着トップ(ブラ)部分の紐の接合処理
ブラのカップに対して肩紐、カップの結び紐が別パーツですので、これらを接合して
合わせ部分を整形しながら合わせ目のラインを消していきます。
肌塗装後に接合処理するよりも先に接合しておいた法がやりやすいと判断しました(マスキング
で対応)
いきなりトラブル発生! 製作日誌らしいネタができました
力をいれて仮止めしていたら、カップの結び紐のパーツ破損です。
写真2のように、0.5mmの真鍮線で補強して、シアノン+HGパウダーを盛り付け、整形してことなきを
得ました。
写真3は、接合処理完了した状態です。
ブラのカップに対して上2本の肩紐、カップの結び紐を接合して
合わせ部分にシアノン+HGパウダーを盛り付け、整形し、合わせ目
のラインを消しました。
問題は、両脚、水着ボトム(パンツ)後ろパーツの組み立て、塗装をどのような手順でやるかです
先に後ろパンツと前パンツを接合しておかないと、股部分の接合部分の合わせ目のラインを
消すことが出来ません(両脚取り付けた状態では、股間をやすったり塗装したりすることはほぼ
不可能です。)
そこで、最初は、写真4の状態で組んでみました(この状態で股間の接合部分をシアノン+HGパウダーで持ちつけ整形し、合わせ目は消してあります)
しかしながら、左脚を入れると、パカッと股間の合わせ目が外れてしまいました。
このやり方はリスクが大きいので、結局、両脚、水着ボトム(パンツ)後ろパーツは別々に
塗装してから、最後に組み立て、股間の合わせ目のライン消しはやらないことにしました
(股間の合わせ目は縫い目と解釈)
その他、水着ボトムと結び紐の合わせ部分それぞれに組み付け用の凹凸を整形しました。
以上で全てのパーツ同士の合いを調整して、塗装できる状態にもっていくことができました。
・微細気泡処理
パーティグライン消しなどの表面処理をしていくと、最初に気づかなかった
気泡が顕れることがあります。隠れ気泡、微細気泡といわれるものです。
表皮近傍にあり、まさに微細であるため、肉眼では気づきにくいし、やすっていくと
顕れるというやっかいなものです。
グレーサフを捨て吹きで吹いて探索すれば確実なんでしょうが、ルーペで照明を
あてて確認していきます。
写真5は、微細気泡を通常のやり方で、処理した場合を示しています。
(1)微細気泡Aがあるところに、パテBを盛ったとします
(2)パテBが完全に固まった状態で、やすりがけしたとしても、微細気泡Aは、表面一部Dで塞がる
だけで完全には埋まりません。これはパテBが内部の奥まで入り込まないからです。
また、やすっていくうちに他の箇所で新たな微細気泡が生じるおそれがあります。
なお図解はあくまで私の想像図です(ホンマカイナ!)
まあ 実際にやってみるとそうなりますのでそうなっているんでしょう。
写真6は、やすりがけすり込み法による微細気泡処理を示しています。
簡単にいえば、気泡孔に微細な削り粉をすり込んだ状態で孔を埋めてしまおうという
やり方です。
(1)微細気泡Aがある周辺をやすりがけします。すると、レジンの削り粉Cが気泡Aの奥底
まで入り込みます
(2)その状態で、通常のパテではなく瞬着B(私の場合はシアノン+HGパウダー粉)を盛ります
硬化を待って削るのではなく、半硬化の状態で直ぐにやすりがけします。
(3)すると、レジン削り粉Cと生渇きの瞬着Dがやすりがけで孔Aにすり込まれながら、徐々に硬化していきます やすりがけ完了時点で孔Aは瞬着Dで硬化したレジン削り粉Cで埋められるという
わけです また硬化とやすりがけが同時に行われるため、やすりがけによって表面に顕れよう、出ようとする気泡も同時に埋められる利点があります(ホンマカイナ!)
このやり方は、みすまる☆ましいさんが以前紹介していたやり方ですね(図解はあくまで想像図です)
私の場合は、シアノン+HGパウダー粉を微細気泡周辺に盛って、瞬着スプレーをかけて、直ぐにやすりがけする方法でやっています
実際にやってみましょう。
気泡状態撮影しませんでしたが、写真7は、シアノン+HGパウダー粉を微細気泡周辺
に盛った状態ですね この後、瞬着スプレーをかけて、直ぐにやすりがけします。
写真8が、やすりがけの途中です。
シアノン+HGパウダー粉は、硬化しつつやすりがけによって
孔にすり込まれていきます
写真9は気泡処理終えた状態です。
若干の筋がありますが、ルーペで
確認したところ、気泡は埋まっていました。
表面処理を終えたら、中性洗剤につけて、処理
によって生じた削り粉、手の脂などを洗い落とします。
十分で水洗いし乾燥すれば、塗装に入れます
資料をそろえて塗装プランを考えます。これが
美少女ガレキの最大の楽しみのひとつですね
閲覧ありがとうございました。
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コメント9件
- くまのみ
-
成る程の軸打ち方法ですね。
いいやり方をありがとうございます。
何度か軸打ちをやったことがあるのですが、なかなかピッタリにいった事が
有りませんでした。でもこの方法ですと微調整が出来て素晴らしいアイデアです。
05月04日 02:16 | このコメントを違反報告する
- hiroyuki@マルチ
-
くまのみさん
役に立ちそうですか
技法紹介した甲斐がありました
美少女ガレキ界で知っている方は知っている
やり方だとおもわれますが、自分でやってみて
これはよいと思ったものを怪しげな図解入りで
紹介しています。
05月04日 03:18 | このコメントを違反報告する
- modeller田村
-
なかなかのプロポーションですね!!!!ブラボー
私には造れない作品ですので
続き期待してます。
これからも宜しくお願いします。
05月04日 09:01 | このコメントを違反報告する
- hiroyuki@マルチ
-
田村さん
こんばんは
セナはプロポーションいいですよね
とりあえず肌色からです
肌色でほぼ塗装の大部分が決まります
今回から肌色レシピ変えますので、現在
いろいろ試しています。とりあえず本日試した
肌色はオレンジ色が強かったです。
製作日誌のネタにでもします。
05月04日 22:12 | このコメントを違反報告する
- hiroyuki@マルチ
-
黒豆さん
こんばんは
気泡を大きくしてからやると確実ですよね
ですが微細な孔がたくさんあると面倒だし
ザーッとやすってガーと埋めてしまったほうが
ラクチンかと。
明菜ちゃんの製作は着々と進行しておられるかと
おもいます
05月05日 22:19 | このコメントを違反報告する
- hiroyuki@マルチ
-
こてつさん
こんばんは
気泡も神経質になるとなかなか
表面処理終了しませんよね
もうサフで確認せずにライト当てて
ルーペ確認ですませ、後で発見し
た気泡は、見なかったことに
していますね。
怪しげな図によると、気泡は壷
状になってますので、孔の表面を埋めた
としても、研削することによって、孔径が大きく
なって、表面にこびりついたパテも削り落とされる
のではないかとおもっています。たぶんですが。
こてつさんもブキヤコンテストに向けて作品づくり
がんばってください。
05月05日 22:27 | このコメントを違反報告する
- すばる
-
製作する前に先生の記事を読んでおいて良かったですヾ(。・ω・。)ノ゙
私には手にあまる品が多く運ばれてくるので悩みの種でしたが、この教科書があれば・・・少しはできるかもしれません(´¬`)
09月17日 23:10 | このコメントを違反報告する
- hiroyuki@マルチ
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すばるさん
>私には手にあまる品が多く運ばれてくるので悩みの種
う~ん すばらしい悩みですね
おそらく、すばるさんの作品をみて実力をかってのことなんでしょう
美少女ガレキ特有の留意事項は多少あるものの、あのジオラマを作られた
すばるさんであれば、大丈夫!
09月19日 01:08 | このコメントを違反報告する
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