1/48 RF-101C Voodoo (1)
2023/01/11 22:54
さて、課題キットも完成しましたので、次回作を選ぶことにしました。
来年開催される合同展示会のテーマ「シルバーウィング」に沿ったものを作ることにしました。
以前取り掛かっていたんですが、キットのあまりの出来の悪さに放置していたものを再開します。
このキットは、今は亡きキティホークのキットです。熱心に良い機種選定でキットをリリースしていたんですが、中途半端なクオリティで全く成長しないまま消えたメーカーでした。場を荒らしただけでした。
ただ、アウトラインはモノグラムのコピーと思われるものなので、カッコいいです。
ディテールを直すと何とかなりそうなので、気を取り直して製作します。
塗装はボックスアートと同じものを選択します。関連動画を視聴してモチベーションを上げていきます。
まず、写真偵察機ですが、カメラがまともに再現されていません。
ディテールも大嘘なので、自作しなければなりません。
当時、資料が無く再現が困難でしたが、最近↓の写真を発見したので安心して作れそうです。
https://www.nationalmuseum.af.mil/Visit/Museum-Exhibits/Fact-Sheets/Display/Article/196065/mcdonnell-rf-101c-voodoo/
初期のジェット機によくあるディテールにNACAダクトがあります。これは大体成形しづらい位置にあって、キチンと再現されているキットはほとんど見たことがありません。
NACAダクトの自作方法について紹介したいと思います。
これは私が考えたわけでなく、最高ランクの凄腕モデラーに教えて頂いたものです。
この方は仙台の安藤好紀さんですが、昨年末に急逝されました。大変お世話になりましたし、まだまだ教えて頂きたかったことが沢山あったので残念でなりません。
写真上:キットのモールドからNACAダクトのサイズを確認し、タミヤのプラ板をダクト幅に合わせてカットし、エバーグリーンの帯材を両側に接着します。
写真中:ダクト長さに合わせて先端を薄いプラ材で挟んで固定します。
写真下:ダクトの底にプラ板を貼ります。ここまで、全て瞬着で接着しています。硬化促進剤を使用すると作業がスムーズです。
余分なプラ板をカットして完成。
キットパーツのNACAダクト周辺を切り取ります。
先ほど製作したNACAダクトが収まるように斜めに削るのがポイントです。
NACAダクトは斜めに設置して周辺を瞬着で充填します。
接着剤が硬化してから、機体表面が面一になるよう削って完成です。
より詳しい作業手順は下記のリンクを参照してください。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1866905420&owner_id=6926068&org_id=1867665445
最後に安藤さんの作品を紹介したいです。
1/48 Westland WESSEX 2008年JMC大賞作品。
前面凸リベットを貼り付けた驚愕の作品です。凸リベットはプラストラクトのΦ0.4mmプラ棒の薄切りを大量生産して対応されています。
その他、内外装の作りこみレベルは半端ないです。塗装前は↓こんな感じです。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=931700488&owner_id=6926068
塗装前で作品として成立しているのが凄いです。テクニカルも突き抜けるとアートの領域になってますね!
1/32 BAEホーク 2011年JMCスーパーマスターズ銀賞受賞作品。
胴体後半の凸リベットとパネルの段差表現、機体パネルのうねりを再現されています。
コックピットの作りこみも凄まじい作品でした。
凸リベットについては↓のとおり。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1790665991&owner_id=6926068
この作品は静岡ホビーショーで展示されていましたが、飛行機に詳しくないキャラクターモデラーの友人も「この作品は凄いな!何で金賞じゃないの?」と言ってました。
残念ながらこの年を最後にJMCは終わってしまいました。
- 製作日誌の公開範囲
- インターネット全体
- コメントを受け付ける範囲
- ホビコムメンバーまで
コメント16件
- あっくんパパ
-
BAEホークのコックピットです。
他の写真のリンクはこちらから↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1771740315&owner_id=6926068&org_id=1771307403
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1788437466&owner_id=6926068&org_id=1786765093
機体のうねりはこんな感じです↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1782420155&owner_id=6926068&org_id=1781923812
01月11日 23:03 | このコメントを違反報告する
- PROたか
-
あっくんパパ様に、安藤さんが急にお亡くなりになったことをお聞きした当日は、 本当に衝撃を受けました。
あっくんパパ様同様に、親しくしていただき、サゼッションんをいろいろいただいていたたかめとしても残念でなりません。
NACAダクト等の難しい箇所の追加工作、コクピット等の細部工作など、以前はあきらめていたところに手を入れる工夫を教えていただいたいことを思い出します。まだ70歳前なのに・・・・
私たちにできることは、安藤さんの作品を目指して模型を作ることを続けるしかありませんので、いろいろな思い出を思い出しながらやっていこうと思います。
今後とも安藤様の分も、いろいろと教えてくださいませ。
01月12日 08:14 | このコメントを違反報告する
- Fame461
-
おはようございます。
またまた勉強になる日誌ありがとうございます。
ダクトのディテールアップ!本当にお見事です。
安藤さんの作品も初めて拝見しましたが、本当に素晴らしいです。
柏木先生も30年来のお付き合いらしく、相当ショックを受けていらっしゃいました。今年は先生と一緒に仙台まで遠征することになっていたので残念な気持ちです。
あっくんパパさんが志を引き継ぐのですね。相応しいと思います。
01月12日 08:15 | このコメントを違反報告する
- 柏木 光雄
-
おはようございます。
ダクトのディーテルアップ良いですね。
完成を楽しみにしています。技巧の伝承ですね。
安藤氏が無くなられて寂しいです。仙台翼産会の展示会で知り合ってから30年位に成ります。展示会の後で夜のネオン街でカラオケをやりました。お店のママさんと親しい様で常連でしたね。作品は超絶技巧の塊で憧れの作品でした。
JMC大賞を受賞した時は、みんなで喜びました。
心にぽっかり穴が開いちゃいました。
今はご冥福を祈っています。
01月12日 08:49 | このコメントを違反報告する
- 物タロウ
-
凄い方がおられたのですね。
写真からでも、その凄さと素晴らしさを感じることが出来る様に思いますが、
実物はもっと凄いのでしょう。
ご冥福をお祈りします。
01月12日 13:55 | このコメントを違反報告する
- やましん
-
安藤さんが亡くなっていたことは知りませんでした。
以前UAMCや静岡でお逢いしていろいろお話を伺いました。
雑誌作例で1/32スピットファイヤーの凸リベットを拝見して衝撃を受け、自分も試行錯誤しながら凸リベットを打つようになりました。
安藤さんの作品を知らなければ凸リベットを取り入れることもなかったと思います。
ご冥福をお祈りします。
01月12日 19:28 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
たかさん
いつもありがとうございます。
ホント、安藤さんのことを聞いた時にはショックでした。今回いくつかMIXIの日記のリンクを貼らせて頂きましたが、技術的な質問に対して、とても丁寧に分かりやすく回答して頂きました。
今回の作品は教えて頂いたことを出来るだけ盛り込んでいきたいと思います。
01月12日 23:39 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
Fame461さん
いつもありがとうございます。
安藤さんは日本でもトップクラスのモデラーだと思っていました。
いろんな技法を教えていただいたんですが、難しいことを簡単にきれいに作れる方法を考えられていて、相当試行錯誤されていたんだと思います。
このヘリは、ディテールで手が入ってない部分がほとんど無いもので、どこを見ても凄かったです。
01月12日 23:46 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
柏木先生
いつもありがとうございます。
技巧の伝承、大事ですね。頑張って形にしたいと思います。
安藤さんとは2009年の横浜サンダウナーズさんの展示会でお会いしたのが最初でした。その際にWestland WESSEXについて、この作品をそのままマスターズクラスにもってきても金賞間違いなしなので、僕ら全員1個ずつ下がるね!と話したのを思い出しました。
細部工作も凄いんですが、機体表面の質感をどう表現するのか?についてずっと取り組まれていて、当時忘れ去られていた凸リベットを復活させた功績はとても大きいと思います。
私も頑張ってより良い作品作っていきたいと思います。
01月13日 00:13 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
物タロウさん
いつもありがとうございます。
安藤さんは作品数は多くないんですが、1作品に投入するエネルギーが凄くて、完成した作品はずっと見ていられて、見るたびに新たな発見がありました。
ホークの胴体はこんな感じでした。実機にか見えません。
01月13日 00:16 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
やましんさん
ご無沙汰しております。
今年もよろしくお願いいたします。
この作品ですね!エアモデリングマニュアル掲載作品でした。
突リベットももちろんですが、機体外板の質感や塗装が摩耗して剥がれた様子など、とてもリアルでした。
01月13日 00:20 | このコメントを違反報告する
- haruka1755
-
これまた楽しみです
ダクトの加工は良いですね〜
リアルな仕上がりを目指すには
欠かせない加工ですね。
前にエアモデリングマニュアルを
教えて頂き、購入した号に出ていた
スピットファイアは何度見ても素晴らしいと
感じます。
素晴らしいモデラーが空の上に
いってしまわれたんですね。
残念です。
ミクシィで足跡を読ませて頂きます。
01月13日 12:31 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
haruka1755さん
いつもありがとうございます。
NACAダクトの詳しい工作手順は、私がリクエストして作って頂いたんですが、ルーバー類の工作もお願いしたかったです。
MIXIの日記は誰でもアクセスできる設定になっていますので、是非ご覧になってください。
スピットファイアMk.Vの製作についても、初期の日記に詳しく解説されています。
私たちも、採り入れられるものは採り入れて、より良い作品を作っていくのが供養になると思います。
01月13日 18:31 | このコメントを違反報告する
- U1
-
ためになる解説ありがとうございます。
安藤さまのことは初めて知ったのですが
大変素晴らしい作品で感服いたしました。
私如きが何ですがご冥福をお祈りいたします。
01月13日 22:38 | このコメントを違反報告する
- あっくんパパ
-
U1さん
いつもありがとうございます。
安藤さんは、知る人ぞ知る感じでしたが、私やたかさんは親しくさせて頂きました。
製作のプロセスも細かく紹介されていましたので、これから色々と活用しつつレポートしたいと思います。
写真はテールブームのクローズアップですが、メッシュの内部に機械が入っているんですよ!見れば見るほど凄かったです。
01月13日 23:39 | このコメントを違反報告する
コメントを書く1,000文字以内