旧キット タミヤ1/35 SU-122制作記録
2017/03/25 22:39
ガールズ&パンツァーで盛り上がったAFVシーンに乗ろうと、中古で購入したのはSU-122。
砲塔が無いから簡単だろうと目論んでの事でした。
しかし現代は正に情報化社会。
少し調べただけでキットの欠点を詳細にレポートした制作記事や、ロシアに残る実車両の写真、あげくは戦時中の捕獲車両を分析した写真まで見つけてしまいました。
そんな資料の中でも、特に違和感を覚えたのが防盾の形状。
いくら突撃砲でも砲の可動域が上下動だけとは有り得ないと思っていたら、案の定、左右にも10度ずつ横振りできると有りました。
すると、どうにも角張った防盾では砲の可動範囲が表現出来ていないのに気付いて、実車両写真を元に改修する事にしました。
パテを使わず、簡便に修正を図るべく投入した道具はモーターツールとヒートペン。
一般にはキャラクター模型の改造に多用される印象ですが、なかなかどうして、ミリタリーにも使える一品です。
まずは防盾の内側に瞬間接着剤を流し込み、削り込みに備えて厚みを増します。
その後は資料写真を見ながら、モーターツールで荒々しくも慎重に削り込んで丸みを再現します。
伝聞では、当時のタミヤは実車取材が出来なかったので、写真等から外形を割り出して設計したとの事。
現代とは得られる情報量に格差が有った事を念頭に置いて、あまり寸法を気にせず、イメージを似せていくように造作を進めます。
防盾の形状が出来たら、各部装甲板の溶接部をヒートペンで再現します。
以前はモーターツールで行っていた作業ですが、ヒートペンのお陰で実感の高い表現が簡単に可能となりました。
両側面及び後面のピストルポートは、戦時中に捕獲された車両の4面写真から位置を割り出して修正しました。
戦闘室の背面はSU系列のバリエーション展開のためか、間違った作りになっているとの指摘記事が見つかりました。
実車両の写真でも確認出来たので、指摘の通りに直します。
防盾基部の上面には、砲の可動に合わせて装甲が逃げるスリットを切りました。
実車両写真を見る限りでは強度を高めるための溶接板が見えなかったので、タミヤ1/48の後期生産仕様とは違うまとめ方にしました。
左側面V字型の部品は、森林地帯の多いソビエト領内を進軍する際に必要な、大型鋸の装着箇所でした。
戦時中の写真では必須装備のようですがキットに鋸は有りません。
迷いましたが、今回は「無し」で作業を進めます。
実車両の鮮明な写真のお陰で、戦闘室周辺の溶接跡も忠実に再現出来ました。
正確無比を目指さないイメージ優先の簡単改造でも、判る限りは正しく表現したいものです。
とは言いながら、実は主砲の全長が長いままです。
駐退器と呼ばれる部分を守る根元の装甲部分が、1mmほど短いのが正しい感じです。
直せない事は無かったのですが、この方が「らしい」ので、敢えてイメージ優先としました。
こんな感じで、おおよそ2週間弱の時間をかけて改修作業は完了しました。
中古品だったので、ベルト式無限軌道が歪んで使い物になりませんでしたが、幸いな事に近年の再生産により部品供給が可能とメーカーから返事を頂き、近くの模型店から取り寄せて無事完成に至りました。
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