上杉謙信・陣羽織の文様を描く
2013/12/31 00:06
ご要望がありましたのでフリーハンドで文様を描く工程を説明していきます。
元になる絵をよく観察します。今回はある書籍の写真を参考にしました。
すでに下絵をラフに書いています。
薄く最初はラフでもいいからとにかく書きます。
アクリルは隠ぺい力が高いので後からフォローしやすいので。
ラフから段々輪郭をハッキリさせながら書けるところから書き足していきます。
変なところがいろいろ見つかるのでそれを修正しながら、全体のバランスに気をつけて作業を進めます。
前面も同じです。線は一遍に決めないで書けるところから書いていき、修正をしながら進める感じです。
現存する遺物は色が褪せたり、欠落している部分があるので新品はこうだったろうなと想像しながら進めます。考証は大事です。ここが自分流に一番拘れるところなんですから。
トーンを上げながらおかしなところを修正していきます。
必ずしも遺物のコピーでなくてもいいんです。実際どうだったかなんて全くわからないし、ほとんど想像です。但し、現存する遺物のパワーを作品に少しだけ借りる。そうすると作品に重みが出てきます。
だいぶ進んできましたがまだやることは沢山あります。
前面の襟返しには別な陣羽織の文様を持ってきます。
上杉家の家紋、竹に雀と関東管領の桐紋をあしらいます。これも最初はラフに。
輪郭を入れていくだけで全く見違えるようになります。ご覧の通りそんなに難しいことはやってません。
ほぼ完成状態。当時の描き絵の技法にもちゃんとシャドウとハイライトが使われていました。驚くのは色の濃淡だけでなく補色をうまく使って水彩技法のような立体感を表現していた事です。日本画の世界はとんでもなく奥が深いです。
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コメント4件
- modeller田村
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早速丁寧な手描きの制作日記のアップありがとうございます。
ウーンと唸りながら拝見しました。
結局かなり絵心がが必要とされるプロならではの技ですね!!!!
ですが説角ですので何かに試してみたいと思います。
これからも宜しくお願いします。
12月31日 00:32 | このコメントを違反報告する
- PROpanzervati
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正確さよりイメージ優先なのでかなり自由に適当に描いて居ます。
もともと飛行機モデラーで、1/72のマーキングを手書きでやっていた、という下地はあったんですが。昔のデカールは割れたり丸くなったり、シルバリングも酷かったですね。貼る作業が下手なのは今も同じです。
12月31日 07:32 | このコメントを違反報告する
- くまのみ
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文様の描き方の流れは何となくではありますが、判りました。
いつも、どうゆう風に塗ってるのか疑問でした。
でも結構絵心が、いりそうな方法で、私には無理ですね。
なんせ美術は1か2でしたから~。残念!
01月01日 11:53 | このコメントを違反報告する
- PROpanzervati
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あまり説明になってないのが申し訳ないですね。
私も書道は2、美術も2でした。
そういう評価はあまり関係ない気がします。
もちろん、美術関係の学校やそういう方面の方ならもっと上手に素晴らしいものが出来るでしょうね。
01月01日 14:10 | このコメントを違反報告する
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