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430スクーデリア

【第16回】430スクーデリア


430スクーデリアは、2007年のフランクフルト・ショーで発表された。2004年発売のF430シリーズをベースに、レースで培われたフェラーリの情熱や技術が惜しみなく注ぎ込まれたクルマだ。510馬力にパワーアップしたエンジンを搭載し、最高速度は時速320キロを記録した。

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エンツォより速いV8フェラーリ

デアゴスティーニ編集部

▲見るからに猛々しい430スクーデリア。大型化されたフロントのエアインテークがさらにその印象を増幅する。フロントバンパーの側面には、ラジエーターから熱気を抜くためのアウトレットが設けられている。

V型8気筒エンジンを初めて搭載した308GTB/GTSから32年間にわたる、いわゆるピッコロ・フェラーリの究極の到達点となったのが、2007年のフランクフルト・ショーで発表された430スクーデリアだった。2004年に発売されたF430シリーズをベースとしてはいたが、単に最高性能バージョンというだけではなく、レースに対するフェラーリの情熱と探究心を徹底的に追求したクルマだった。一見したところは普通のF430とよく似ているが、たとえば車両重量もF430ベルリネッタの1450kgから1250kgへと大幅に軽くなっている。それに対してエンジンはF430の490馬力から510馬力へと20馬力ほど強化されたから、重量/出力比は2.96kg/psから2.45kg/psへと軽減された。
90度V8エンジンの場合、クランク角は90度が普通で、世界でもほぼすべてがこの方式を採っている。一方180度タイプ(いわゆるフラット・クランクまたはプレーン・クランク)は、レーシングエンジン以外に使われることは稀で、現在フェラーリを除けばTVRが自社開発したV8(AJP8型)しかない。180度クランクと90度V8との組み合わせでは一次振動が大きく、クルマとしての快適性も損なってしまうことが多いのだ。それに対して一般的な90度クランクは振動のバランスをとりやすい反面、高回転で強度が不足することがあり、それ自体を太くしなければならないので重量が増す。フェラーリは、あえて欠点には目をつむり、高回転で優れたレスポンスを得られる180度にこだわった。結果としての性能を数字で見ると、最高速度が時速315キロから320キロに、ゼロ発進で時速100キロまでの加速が4.0秒から3.6秒にとわずかに伸びただけだが、実はそれ以外の項目に430スクーデリアの本当の価値があった。瞬間ごとの身のこなしや操る手応えが、路上のクルマとして最もレーシングカーに近かったのである。

特別なレーシングカー

デアゴスティーニ編集部

▲ベースとなったF430。リヤフェンダーのエアインテークが少し異なる。

430スクーデリアの外観は、F430と大きくは変わらない。ただ、よりパワフルなフェラーリを相手にしても太刀打ちできるだけのフットワークをサーキットで発揮できるように、いくつかの部分をグレードアップしただけだ。しかし、インテリアを一瞥すれば、特別な意図の下に企画されたクルマであることがわかる。一般に解釈されているベルリネッタ(クーペ)という意味では簡素でスパルタンすぎるように見えるのだが、それでいて省略しすぎたわけでもないという、きわめて微妙なテイストのクルマなのだ。強いて表現するなら、ゴージャスなレーシングカーといったところだろうか。
インテリアのつくりとしては、快適に旅行するためというよりは、瞬間ごとのドライビングに集中することが優先されている。フロアには高級なカーペットなどは敷き詰められておらず、滑り止め加工を施されたアルミ板が剥き出しで、ほかの部分にもカーボンのパネルがほとんど飾り気もなく張られている。ただしダッシュボードの大部分は、余分な反射を防ぐ意味もあり、艶のない暗色のバックスキンで覆われている。2脚のシートも、カーボン製のシェル(座る部分もバックレストも、コーナーで体をよくホールドするように両側が大きく盛り上がっている)に必要最低限のクッションを組み合わせたもので、ドライビングポジションの調整はすべて手動だ。色調は主に濃いグレーと黒で統一されており、部分ごとの仕上げは丁寧なのだが、ここに座ると、いかにもレーシングカーでツーリングに出かけているような気分にさせられてしまう。
430スクーデリアには、ドライバーごとの好みに応じて、さらにホールドの優れた純粋のレーシングシートをはじめ、いろいろな装備を注文してカスタマイズするための「カロッツェリア・スカリエッティ」と呼ばれるプログラムも用意されている。本当に自分だけのフェラーリが欲しいというユーザーには、とても歓迎されているシステムだ。

フェラーリ 栄光の系譜 <1999年〜2002年>

デアゴスティーニ編集部

▲1999年に発表された360モデナは、エアロダイナミクスにおいて格段に進化をとげたフェラーリのニューモデルだった。

●360モデナ (1999年)  
1999年春のジュネーブ・ショーで発表された、21世紀をめざす新世代フェラーリ。F355での経験から大きく前進し、ボディはアルミによる本格的なモノコック構造になった。5バルブのV8エンジンはF355用のストロークをのばした3.6リッターで400馬力の大台に到達。ちなみにF355は3.5リッターの5バルブという意味だったが、360は単に3.6リッターを示す。フェラーリによるワンメイク・レースも、この360から本格的に盛り上がるようになった。

●360スパイダー (2000年)  
360モデナ(ベルリネッタ)を追って、2000年に追加されたオープン仕様。アルミモノコックのボディをはじめ5バルブのV8エンジン、シーケンシャル6速も選べるトランスミッションなど、機構部分はすべてベルリネッタと同じだ。電動式の幌は非常にコンパクトに折り畳まれ、コクピットの後ろの収納部におさまる。ベルリネッタ同様、エンジンフードの中央部に透明の窓が設けられ、珠玉のメカニズムを鑑賞できるのも楽しい。

●550バルケッタ・ピニンファリーナ (2000年) 
1940〜50年代、主にトゥリング製のボディをまといレースに活躍した、懐かしいオープン2シーターの呼び名を現代に蘇らせたのが550バルケッタ。わざわざピニンファリーナの名を冠したのは、1952年以来のフェラーリとの緊密な関係を記念してのこと。クルマそのものは550マラネロのルーフを取り除いた2シーターで、往年の275GTSやデイトナ・スパイダーの雰囲気を連想させる面もある。インテリアの仕立ても完全にレーシングイメージだ。

●575Mマラネロ (2002年)  
550マラネロによって12気筒2シーターをFR方式に回帰させたフェラーリが、それをさらに磨き込んだ力作。外観はヘッドライトまわりなど細部を除けば550のままだが、空気の流れによって決められたピニンファリーナのラインには、もはや手を加える隙がないほどの完成度が漂う。わずかに排気量が拡大されたV12エンジンはついに500馬力を突破し、最高速度も時速325キロをマークする。もちろん2ペダルの6速F1マチックも選択可能だ。

(この記事はフェラーリ・グランツーリズモ<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]DeA Picture Library

公開日 2014/04/25


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