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M3/M3A1

【第100回】M3/M3A1  <歩兵用火器>


 M3サブマシンガンは、アメリカで開発された短機関銃である。第二次世界大戦中、アメリカ軍の主力短機関銃だったトンプソン・サブマシンガンの後継装備としてゼネラル・モータース社が設計。短い期間で設計を終了し、完成させた。

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M3の誕生

▲M3を構えるアメリカ兵。

 これらの試作型サブマシンガンは、アメリカが第二次世界大戦に参戦するきっかけとなる真珠湾攻撃よりも前に、一連の試験に供された。その結果、この計画には高い優先度が与えられ、M3と名づけられる設計がまもなく完成した。

 M3はステン同様、何とも不格好な外見の銃である。部品はすべて金属製であるが、そのほとんどは単純なプレス加工製で、金属切削加工は銃身、ボルト、そしてトリガー(引き金)機構の一部に限られていた(トリガーそのものもプレス加工製だった)。ストックは引き出し式金属ワイヤ製、また射撃はフルオート射撃のみである。排莢口を覆う大型のダスト・カバーは、射撃時には上方の支点で持ち上げられているが、カバーを閉じると、その内面の突起が閉鎖位置/後退位置に関わらずボルトを固定し、セイフティとして機能するようになっていた。
 レシーバーは筒状で、その前方下部に30発容量の箱型マガジンを装着する。レシーバー右側面のトリガー前方部には、薄い金属製のコッキング・ハンドル・レバーが不器用とも言える形で取り付けられている。銃身はレシーバー前部にねじ込まれており、照準器はこれ以上ないくらい単純なもので、その他スリング・スウィベル(負い紐吊り環)のような「贅沢品」は一切ない。
 M3はさっそく量産に移され、トラブル覚悟で部隊配備が急がれた。その特徴ある外見から、アメリカ兵は愛着も多分に込めて「グリース・ガン(グリース油注入器)」というニックネームを付け、この名はそのまま定着することになった。
実戦で使用されるや、M3はすぐさまその効果を実証し、量産は自動車やトラック工場も動員して、あらゆる方法でスピードアップが図られた。本来、板金加工を多用する自動車工場にとって、プレス加工主体のM3生産への移行はたやすいものであり、これはゼネラル・モータース社のサンプソン技師の狙いでもあったと考えられる。

改良型M3A1

▲演習中のフィリピン海軍。中央の赤い服を着たアメリカ人と、その左隣の兵士がM3を手にしている。

 もともと単純な構造のM3だが、1944年には、さらに単純化した改良型のM3A1が制式化された。戦訓と生産ノウハウの両方を取り入れたこの銃は、基本的な方向性はM3と同様だが、いくつかの部分は完全に新しいものになっている。兵士にとって最も重要な変更点は、壊れやすかったコッキング・ハンドル・レバーが廃止され、ボルト自身に設けられた「指かけ孔」に指を差し込んで、コッキング操作を行うようになったことである。また、排莢口はボルト右側面が完全に露出するまで大型化され、これに伴い、カバーもそれを十分に覆えるサイズに拡大された。さらに、ピストル・グリップ内部にはオイル缶が用意されたほか、一部の部品は分解整備に利用できるよう形状に工夫が施された。例えば、ワイヤ・ストックは銃身を外す際のレンチとして、またマガジンに装弾する際の道具として使えるようになっている。一部の銃では、ラッパ状のフラッシュ・ハイダーが銃口部に付けられた。
 アメリカ軍は、トンプソンをM3およびM3A1に更新することを決定し、M3A1は1945年8月の終戦時にも生産が続けられていた。大戦中だけをとっても、M3は約605,000挺、M3A1は約15,000挺が作られている。戦時においては、高望みをするよりも、信頼性と入手性が何より大切なのである。結果として、M3とM3A1はアメリカ軍の行くところ、世界のあらゆる場所で使用されることになった。

諸 元

▲現地改修型。破損したクランクハンドル型コッキングレバーが除去され、ボルトに新たなレバーが設けられている。

M3

口径:45ACP(11.43mm×23)
全長:745mm(ストック引き出し時)、570mm(ストック短縮時)
銃身長:207mm
重量:4.65kg(装弾時)
初速:280m/sec
発射速度:350〜450発/min
マガジン:30発箱型

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2021/04/23


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