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シャールB1

【第103回】M10  <戦車>


 シャール B1は、第二次世界大戦前にフランスで開発された重戦車である。 ルノーB1とも呼称、表記される。全生産型のシャールB1が登場したのは1935年のこと。B1重戦車は1940年のナチス・ドイツによる西方電撃戦で実戦に参加した。

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先進的な設計

▲1929年にルノーから引き渡された試作1号車(車体番号101)。車体はほぼ生産型に近いが、試験用に機銃2丁装備のST2砲塔を搭載している。柵状のアンテナは生産型には使われなかった。

 シャールBシリーズとして知られるフランス戦車は、第一次世界大戦時代の面影を色濃く引きずっている。それもそのはずで、この戦車の開発が始まったのは、第一次世界大戦直後の1921年である。当時要求されたのは、車体に設けた銃眼部に75mm砲を搭載する戦車であったが、この要求を満たす戦車が最終的に完成したのは1930年頃である。こうして重量25tのシャールB重戦車が誕生したが、開発が長引いたため、完全生産型のシャールB1が登場したのは1935年のことであった。
 シャールB1は当時としては強力な戦車で、47mm砲(砲弾50発搭載)を砲塔に、75mm砲(74発)を車体前部に装備していた。さらに副兵装として、7.5mm機関銃2挺を5,100発の弾薬とともに搭載していた。車体砲は旋回角が限られていたことから、これを補う目的で、車体の向きをすばやく変えるための複雑な操向システムが採用されていた。その外観のために少々古めかしいイメージを与えるが、シャールB1には、セルフ・シーリング式燃料タンクから、多くのベアリングへの集中注油方式に至るまで、先進的な設計上の特徴が随所に見られた。また電動始動機を備え、車内防火システムも取り入れられていた。
 乗員は4名だったが、各人が車両各部にバラバラに配置されていたため、車内の意思疎通が難しく、これが運用上さまざまな問題を引き起こした。シャールB1が戦闘能力をフルに発揮するためには、十分に訓練を積んだ専門家チームが乗務する必要があったが、1940年当時、そのような乗員はほとんど存在しなかった。

シャールB1-bis

▲1940年5月に破壊されたChar B1ビス(No. 236、Le Glorieux)を検査するドイツ軍のヴァルター・フォン・ライヒェナウ将軍。

 シャールBの最終生産型はシャールB1-bisである。このモデルでは装甲がB1(14〜40mm)よりも厚い14〜65mmとなり、砲塔の設計が見直され、より強力なエンジンが搭載された。後期生産車両では、本来は航空機用のエンジンが搭載されて、出力が一層強化されるとともに、燃料搭載量が増加された。
 シャールB1-bisの製造は1937年に開始され、1940年までに各型合わせて約400両のシャールB戦車が配備されていた。この頃には、シャールB1およびシャールB1-bisはフランス軍重戦車の中で最も強力かつ数の多い戦車となっており、基本型はフランス陸軍が展開した少数の専門機甲編隊の主力戦車を務めた。
 ドイツ軍はシャールB1を非常に警戒していたが、これは75mm砲が同軍のIV号戦車でさえ撃破できるほどの威力を持っていたからである。しかし、1940年5〜6月の両軍の対決では、いくつかの要因がドイツ軍に味方した。その一つに、B1が綿密な整備を要する極めて複雑な戦車であったことが挙げられる。この複雑さが仇となって、多くが戦場に到着する前に故障し、無傷のままドイツ軍の手に渡ったのである。また、他の戦車部隊と同様、シャールB1の装備部隊も小規模な地域防衛群に分割されたため、集中運用が行われなかった。これが、ドイツ軍の高速機甲師団に利する結果となったのである。
 フランスを占領したドイツ軍はシャールB1-bisを接収し、B1-bis戦車740(f)型としてさまざまな用途に使用した。何両かは無傷のままチャンネル諸島などの占領部隊に送られ、また操縦訓練車となったり、自走砲に改造されたものもある。さらには、火炎放射器を取り付けてB1(f)火炎放射戦車に改修されたものもある。1944年にはまだ少数が残っていて、再度フランス軍の手に渡ったが、1945年にはわずか数両が残るのみとなっていた。

諸 元

シャールB1-bis

乗員:4名
寸法:全長6.37m、全幅2.50m、全高2.79m
エンジン:出力307馬力のルノー6気筒ガソリン・エンジン1基
重量:31,500kg
性能:最大路上速度28km/h、最大路上航続距離180km、越堤能力0.93m、越壕能力2.74m
兵装:75mm砲1門(車体)、47mm砲1門(砲塔)、7.5 mm機関銃2挺

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2021/07/26


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