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VI号戦車ティーガー

【第15回】VI号戦車ティーガー  <重戦車>


ドイツ陸軍によって1942年当時投入された巨大戦車ティーガーは、世界最強の戦車であった。その分厚い装甲と強力な88mm砲に対抗できる戦車は当時の連合軍には存在せず、ようやくライバルが登場するのは、戦争も末期になってからのことだった。

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VI号戦車 ティーガーとティーガーII

デアゴスティーニ編集部

▲1943年、チュニジアで米軍に鹵獲された第504重戦車大隊第1中隊の初期型ティーガー。

ドイツ陸軍は、早くも1938年の時点で、当時設計過程にあったPzKpfw IV(IV号戦車)を、将来より高性能な戦車に更新する必要性を認識していた。複数の企業が試作車を製作したが、この段階ではいずれも量産化には至らず、1941年、ヘンシェルに対して36t級戦車VK3601が発注された。要求仕様は、最大速度40km/h、強力な装甲防御、そして強力な主砲などであった。1942年8月にヘンシェル案がPzKpfw VI Tiger Ausf E(VI号戦車ティーガーE型)、別名SdKfz181として量産されることが決定した。   
ティーガーより重武装で重防御の派生型を開発する方針が決まったのは、ティーガーが量産に移行するよりも前のことであった。新型戦車の主眼は、ソ連軍が将来導入すると思われる重戦車に対抗することにあった。今回も、設計案の提出はヘンシェルとポルシェの2社に要請された。ポルシェはまず、以前のVK4501の設計をベースにした15cm砲搭載戦車を提案したが、これは却下されて、定評ある88mm砲の高初速型を新設計の砲塔に搭載した新型案が提出された。しかし、こちらの案も、電気式トランスミッションが、当時供給が枯渇していた銅を大量に使用するという理由でキャンセルとなった。だが、この時点ですでに砲塔の生産は始まっていた。生産はティーガーととともに行われ、最初の50両はポルシェ砲塔を搭載して完成。その後の量産戦車はすべてヘンシェル砲塔を搭載し、合計で485両が完成した。
ティーガーIIは1944年5月に東部戦線で初めて実戦に投入され、西部戦線では同じ年の8月にノルマンディに登場している。連合軍側兵士は、この巨大な新型戦車をロイヤル・タイガーと呼んだが、ドイツ軍兵士はケーニヒスティーガー(キング・タイガー)と呼んだ

無敵のティーガー

デアゴスティーニ編集部

▲鹵獲したティーガーを視察するヴォロシーロフ、ジューコフら赤軍。戦場の覇者であったが、重量が過大で機動性に欠けていた。

ティーガーの主武装は88mm KwK36砲で、補助武装は主砲同軸の7.92mm MG34機関銃と、車体前方右側にボール形銃眼で架装された同じくMG34車体銃である。主砲弾は84発、機関銃弾は5,850発を携行することができた。
ティーガーは、まず最初にチュニジアでイギリス陸軍の前に出現し、その後はドイツ軍のすべての前線に姿を見せるようになった。ティーガーの量産は1942年8月に始まり、1944年8月までに合計1,350両が製作された。量産型は大きく3つに分けることができる。大多数を占めたのは基本型の主力戦闘戦車であったが、ティーガー指揮戦車も多数生産された。これは、主砲を撤去する代わりに、砲塔内スペースを通信機器の増設に振り向けたタイプである。この指揮戦車は、ウィンチを装着して戦車回収戦車として使用されることもあった。
ティーガーIIの車体は全溶接構造で、厚みは車体前方の最大部分で150mmあった。操縦手の着座位置は車体前方左側で、右側には車体銃手兼無線通信士席が配置。砲塔も同じく溶接構造で、厚みは砲塔前方の最大部分で180mm(ポルシェ型では110 mm)、左側に戦車長と砲手、右側に装填手が乗車した。エンジンは車体の後部に搭載されていた。
主武装は有名な「エイティエイト」(88mm砲)の長砲身型で、この主砲は、ティーガーIが使用したのと同種の徹甲弾を、はるかに高初速で発射することができた。ドイツ戦車の標準にならい、7.92mm MG34機関銃が主砲と同軸に1挺と車体前方に1挺装備された。携行弾数は88mm砲弾が84発、7.92mm機関銃弾が5,850発であった。ティーガーIIの重装甲は、連合軍の大部分の戦車の主砲弾ではほぼ貫通不可能であったが、信頼性には問題を抱えていた。車体はあまりにも大きく、野戦場で自由自在に走り回ったり、隠蔽することは困難であった。戦争末期には、補給が枯渇したため、多くのティーガーIIが燃料切れで放棄されたり、乗員の手で破壊されている。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲博物館に展示されたティーガーII。ティーガーIIは、至近距離でもない限り、連合軍の戦車を恐れる必要はほとんどなかった。

VI号戦車ティーガーI
製造者:ヘンシェル
タイプ:重戦車
乗員:5名
寸 法
全長:6.20m(車体)、8.24m(前向き主砲含む)
全幅:3.73m
全高:2.86m
キャタピラ幅:0.52m(輸送時)、0.72m(野戦時)
エンジン
初期型:出力650馬力のマイバッハHL210 P45 12気筒ガソリン・エンジン
後期型:出力700馬力のマイバッハHL230 P45 12気筒ガソリン・エンジン
トランスミッション:油圧事前設定式、前進8速後進4速
操向機構:油圧式パワーステアリング
サスペンション:横置きトーションバー・スプリング
戦闘重量
初期型:55,000kg
後期型:57,000kg
性 能
最大路上速度:45.40km/h
最大路外速度:20km/h
最大路上航続距離:195km
最大路外航続距離:110km
渡渉水深:1.60m(特殊装備なし)、3.98m(特殊装備あり)
登坂能力:70%
越堤能力:0.80m
越壕能力:2.50m
燃料容量 534L
兵 装
主砲:88mm KwK36 L/56旋条式戦車砲1門
 通常有効射程:2,000m
 最大射程:4,500m
 初速:773m/sec
 砲塔旋回機構:油圧式手動補助付き
 砲塔旋回速度:6°/sec
 仰俯角:+17°/−6.5°
装 弾
徹甲弾または榴弾
補助武装
初期型:MG34 7.92mm機関銃2挺
後期型:MG34 7.92mm機関銃3挺
装弾携行数
88mm主砲弾:92発
7.92mm装弾:5,100発(150連ベルトで34本)
最大装甲貫徹力
171mm(距離100m)、156mm(距離500m)、138mm(距離1,000m)、123mm(距離1,500m)、110mm(距離2,000m)
装甲厚さ
砲盾部:110mm
車体前部:100mm
側面、車体および砲塔後部:80mm
車体上面、底部:25mm

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/03/24


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