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T-62

【第19回】T-62  <戦車>


T-62主力戦車は、ソビエト連邦で開発された主力戦車である。T-54およびT-55から発展したモデルで、車体がわずかに延長され、115mm滑腔砲を搭載した砲塔が装備されている。T-62は、1962年から1975年までの間に約20,000両が製造された。

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3種類の砲弾と近代装備

デアゴスティーニ編集部

▲T-62砲塔上面機銃装備型。NATO呼称"T-62A"型。イスラエルに鹵獲されたシリア軍の車両で、アメリカ軍により詳細なテストを受けた有名な車両。

T-62は基本的にT-55を発展させたもので、車体が若干大きくなる。T-62の主砲は口径115mmのU-5TS(別名2A20)滑腔砲で、この砲には砲口排煙器が装着され、水平および垂直方向に安定化されている。同戦車には、主砲の反動を利用して作動する、内蔵の薬莢排出システムが採用されているが、これは一風変わった特徴と言える。同システムでは、使用済みの薬莢は砲塔後部の跳ね上げ式扉から排出されるが、一連の排出動作を行うためには砲身を3.5°持ち上げる必要があることから、発射速度は約4発/minに制限される。
U-5TSは主に、翼安定式破片榴弾(HE-FRAG-FS)、翼安定式対戦車榴弾(HEAT-FS)、翼安定式装弾筒付徹甲弾(APFSDS)の3種類の砲弾を発射することができる。HE-FRAG-FSは初速750m/sec、HEAT-FSは初速900m/secで430mmの装甲を貫通可能、APFSDSは初速1,680m/sec、非常に低い弾道で330mmの装甲を1,000mの距離から貫通可能である。これらの115mm砲弾は約40発を搭載でき、うち4発は発射可能な状態で砲塔に装填されている。残りの36発のうち16発は操縦手右側、20発は戦闘区画後部に収納される。また7.62mm PKT機関銃が主砲同軸に装備されており、弾薬2,500発が用意されている。
T-62の標準装備には、車長、砲手、操縦手用の赤外線暗視装置、車体後部に装着された脱輪防止梁、主砲発射時の熱気を排出する砲塔換気システム、核総合防御システム、ディーゼル・エンジンからの排気に燃料を噴射して煙幕を作り出す装置などが挙げられる。燃料は車内に675リッター積めるほか、車外のフェンダー上に追加で285rを積載可能である。これによって、T-62の路上航続距離は450kmとなる。さらに、200リッター燃料ドラム缶2個を車体後部に取り付けると、航続距離は約650kmにまで延伸可能である。T-62は、装填手ハッチ上から伸びるシュノーケルを利用することで、水深5.5mの河川を渡ることができる。エンジンおよび戦闘区画には、中央制御の火災消火システムが装備されている。これは自動で作動するが、車長または操縦手が手動で操作することも可能である。同戦車は旧チェコスロバキアでも主に輸出用として作られ、北朝鮮もライセンス生産を行った。しかし、T-62はT-54やT-55と比べて製造コストが高かったため、より近代的な戦車であるにも関わらず、T-55よりも数年早く生産終了となった。

T-62の派生型

デアゴスティーニ編集部

▲T-62の5個の転輪の間隔は、後側の2つの間隔が前側の2つの間隔より大きい。

生産量の多いT-62からは、当然のようにいくつかの派生型が生まれている。標準型のT-62には3つのタイプ、すなわち1962年に登場したM1962、装填手席上部に12.7mm DShKM対空機関銃を装備したM1972、主砲上にレーザー測距装置を装備したM1975がある。
このほか、T-62Dは1975年型の近代化改修仕様。車体前面に増加装甲を装着、レーザー測距装置、アクティブ式対戦車ミサイル防御装置 KAZ 1030M"ドローストを追加し、エンジンをV-55U ディーゼルエンジン(出力620 hp)に換装した。ドローズド対戦車ミサイル・システム、パッシブ装甲のモデルで、エンジンをV-46-5Mに変更したものはT-62D-1と呼ばれる。T-62MおよびT-62M-1は、レーザー・ビーム誘導対戦車ミサイルを主砲から発射するシェスナ・システム(NATOコード名AT-12“スウィンガー”)を搭載している。T-62MとT-62M-1の関係は、T-62DとT-62D-1の関係に相当する。T-62M1およびT-62M1-1は、パッシブ装甲とシェスナ・システムを装備しない改修モデル、T-62M1-2およびT-62M1-2-1は、やはりシェスナ・システムを装備しないが、車体下面と砲塔のみにパッシブ装甲を施したモデルである。T-62MVおよびT-62MV-1は、シェスナと爆発反応性装甲(ERA)を装備した改良モデルである。そのほかに、T-62MKはT-62Mの指揮戦車型で、MK型のうちV-46-5Mディーゼルエンジンを搭載した型がT-62MK-1である。また、知られているモデルにはT-62K指揮戦車がある。さらに、ソビエト以外での独自派生型として、イスラエルが改造したTiran-6、北朝鮮のチョンマホなどがある。T-62シリーズは、現在も世界各地で多数が配備されている。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲アフガニスタン軍のT-62。

T-62
乗員:4名
寸法:全長9.34m(主砲含む)、車体長6.63m、全幅3.30m、全高2.39m
エンジン:出力580馬力のV型12気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:40t
性能:最大路上速度50km/h、最大路上航続距離650km、登坂能力60%、越堤能力0.8m、越壕能力2.85m
兵装:115mm滑腔砲1門、7.62mm PKT機関銃1挺、12.7mm DShKM対空機関銃1挺(T-62M)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/07/25


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