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BMP-1

【第43回】BMP-1 <戦闘車両>


 BMP-1は、旧ソビエト連邦が初めて開発した歩兵戦闘車である。BTR-50装甲兵員輸送車の後継車として登場し、1967年に初めて赤の広場を行進した際には、装甲兵員輸送だけでなく射撃できる歩兵戦闘車両として、西側の軍隊に大きな衝撃を与えた。

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新しい戦闘車両

デアゴスティーニ編集部

▲湾岸戦争で鹵獲されたイラク軍のBMP-1。

 BMP-1以前の装甲兵員輸送車は、ただ単に歩兵を作戦地域の近くまで送り届けるだけで、以後歩兵は下車して徒歩で目標を攻撃するのが当たり前であった。ところがBMP-1の場合は、車体にポート(銃眼)を備えたことで、乗車した全員が、比較的安全に防御された車内から射撃できるようになっていた。そればかりか、この車両は73mmの主砲と有線誘導の対戦車ミサイルまで搭載していたのである。
BMP-1の登場以後、いくつかの国が機械化歩兵戦闘車両の開発に着手した。西ドイツ(当時)のマルダー(20mm機関砲)、フランスのAMX-10P(20mm機関砲)、イギリスのウォリア(30mm機関砲)、アメリカのM2ブラッドリー(25mm機関砲)などが代表的な例である。マルダーが外部に装備していたミランATGW(対戦車誘導兵器)は、命中精度ではBMP-1の9M14マリューツカ(マリュートカ、NATOコードネームでは、AT-3 サガー)に勝るものの、有効射程では負けていた。M2はTOW ATGWの2連装発射装置を搭載しており、射程距離でも精度でもマリューツカより勝っている。
 BMP-1は、操縦手が車体前部左側、車長がその後方、右側にエンジンという変わった配置を採用している。砲塔は車体の中央に置かれ、その後方に歩兵の乗車区画が用意されている。歩兵は、4人ずつ背中合わせに左右を向いて着座し、車体後方の観音開きドアから出入りする。兵員乗車区画の天井はルーフ・ハッチになっている。この配置の最大の欠点は、歩兵指揮官と部下の意志疎通が密接でない点である。

BMP-1の装備

デアゴスティーニ編集部

▲砲塔をZU-23-2に取り替えたBMP-1(奥の車両) 。アフガニスタン政府軍で運用されている。

 BMP-1の主砲は73mm砲で40連装マガジンによる給弾方式を採用しており、HEAT(対戦車榴弾)またはHE-FRAG(破片榴弾)のいずれかを使用することができる。主砲同軸には7.62mm機関銃1挺が架装されている。砲塔の旋回機構は電動式で、非常用の手動機構も併用されている。この73mm低腔圧砲は、初速が遅いため、強風時に精度が低下するという欠点がある。BMP-1で初弾必中を期すためには、車体を停止させなければならない。
 マリューツカは73mm砲身の真上のランチャー・レールに載せられていて、砲手がジョイスティックによってこれを操作する。このミサイルの最大射程は3,000mであるが、目標に到達するまでに27秒もかかる。BMP-1は、車長、砲手、操縦手の全員に第1世代赤外線暗視システムを完備しているほかに、NBCシステムも備えている。さらに、ほとんど事前準備のいらない完全な水陸両用能力を備えており、水上ではキャタピラで推進力を生み出す。
 BMP-1は、基本型のほかに指揮車型、レーダー搭載型などが存在する。後者は、2人用砲塔に7.62mm機関銃1挺を装備し、後部の旋回砲塔に“スモール・フレッド”迫撃砲/野砲探知レーダー(弾道レーダー)を取り付けたものである。また、新設計の2人用砲塔を装備した偵察車両や、マイン・プラウ(地雷除去鋤)を備えた地雷除去車もある。
 最初にBMP-1を実戦で使用したのはアラブ諸国軍で、1973年のことであった。その後は、ソ連軍がアフガニスタンで、イラク軍が中東におけるいくたびかの紛争で、そしてリビア軍がチャドおよびアンゴラでBMP-1を使用している。

諸 元

BMP-1
乗員:3名+兵員8名
寸法:全長6.74m、全幅2.94 m、全高2.15m
エンジン:出力300馬力の6気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:13,500kg
性能:最大路上速度80km/h、最大航続距離500km、渡渉水深/水上航行可能、登坂能力60%、越堤能力0.80m、越壕能力2.20m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/07/28


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