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73式装甲車

【第46回】73式装甲車 <装甲車>


 73式装甲車(ななさんしきそうこうしゃ)は、陸上自衛隊で使用されている装甲兵員輸送車である。自衛隊では装甲兵員輸送車という用語を使用せず、装甲車と呼称される。60式装甲車の後継として1973年に制式化され、1974年から陸上自衛隊への配備が始まり、合計で338両が生産された。

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第2世代の国産装甲車

デアゴスティーニ編集部

▲小松製試作車「SUB II-1」前部。車体上面のターレットが特徴だ。

 「陸上自衛隊が1950年代に発足した際、最初に使用した装甲兵員輸送車(APC)はアメリカ軍供給のハーフトラックであった。国内開発で最初に陸上自衛隊に就役した車両は60式装甲車で、製作は三菱重工業と小松製作所が担当し、最後の車両が1970年代前半に引き渡された。60式装甲車は水陸両用ではなかったが、乗員4名と完全装備の兵員6名を収容できた。400両以上が部隊に配備され、派生型には60式自走81mmおよび107mm迫撃砲、化学防護車があった。
1967年から部分試作が開始され、1968年に部分試作車「SU-T」が完成した。1969年からの試験後、三菱重工業と小松製作所に対して試作車が発注され、1970年に三菱重工業の試作車「SUB I-1」「SUB I-2」、小松製作所の試作車「SUB II-1」「SUB II-2」がそれぞれ完成し、1970年〜71年にかけて技術試験が行われた。
1973年に第2世代のAPCとなる73式装甲車として三菱製の車両を採用した。大部分の60式と交代した。73式の生産速度は非常に遅く、年間6両というときもあったが、生産計画の完了時までに340両の車両が完成した。

73式装甲車の概要

デアゴスティーニ編集部

▲神町駐屯地の陸上自衛隊の73式装甲車。

 73式装甲車の車体は全溶接のアルミニウム製装甲で、車長、操縦手、射撃手の3名が乗務する。射撃手が操作する7.62mm機関銃は車体前部に取り付けられているが、この配置は同種の車両では珍しい特徴である。機関銃の旋回は上下左右に30°で、同様の武装は以前の60式にも装備されていた。
 エンジンは車体中央部左側に配置され、兵員室は車体後部にある。兵員室への出入りは2つのドアを使用し、M113 APCやM2ブラッドリーIFV(歩兵戦闘車両)に装備されているような動力式のランプはない。通常9名の歩兵は、兵員室両側のベンチに向かい合わせに着座する。ベンチは折り畳み可能で、空いたスペースを利用して装備品を積み込むこともできる。
 歩兵のうち1名は、車体頂部に取り付けられた12.7mm機関銃の操作を担当する。この機関銃は車体右側にあり、車体内部から照準、発射が可能である。キューポラは360°旋回可能で、機関銃の俯仰角は−10°〜+60°である。兵員室両側にはT字型の射撃ポートがあるが、ドイツのマルダーなどが装備する射撃ポート/ヴィジョン・ブロックと比べると、その機能は限定的である。
このほか73式の独自の特徴は、車体最後部の上面左右に電動煙幕発生装置が各3基設置されている点である。車両が攻撃された場合には、この装置から煙幕を発生させて後方へ退却することが可能である。73式には暗視装置およびNBCシステムも装備されている。
 73式装甲車は水陸両用であるが、水上航行の準備には長時間を要する。具体的な作業は、車体両側および転輪への浮航フロートの装着、車体前部へのトリムベーンのマウント、車体頂部の空気吸入口、排出口、エンジン排気管へのボックスの装着などである。排気管にこのボックスを装着しないと、波をかぶったときに、水がエンジンに入り込んでしまう。

諸 元

乗員:3名+兵員9名
寸法:全長5.80m、全幅2.90 m、全高2.21m(機関銃含む)または1.70m(車体頂部まで)
エンジン:出力300馬力の三菱空冷ディーゼル・エンジン1基
重量:13,300kg
性能:最大路上速度70km/h、最大路上航続距離300km、渡渉水深/水陸両用、登坂能力60%、越堤能力0.7m、越壕能力2.0m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/10/28


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