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62式/63式戦車

【第49回】62式/63式戦車 <戦車>


 62式戦車は、ソ連からの技術供与の下で開発に成功した59式戦車をスケールダウンさせた中国初の国産戦車である。63式戦車は、ソ連のPT-76水陸両用戦車をコピーした60式水陸両用戦車の車体に62式軽戦車の85mm砲塔を搭載して開発された水陸両用戦車である。

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中国初の国産戦車62式

デアゴスティーニ編集部

▲正面から見た62式軽戦車。

 中国は、偵察用途以外の直接戦闘用に大量の軽戦車や中戦車を装備している最後の国の一つである。1950年代、中国は59式戦車を元に、本格的に国産の戦車開発をスタートさせた。技術的限界から59式戦車をベースにした軽戦車の開発が企画され、1958年から設計が始まり、山岳、水田、河川の多い地域での運用を目的に開発され、1963年から674工場にて生産が始まった。
 重量わずか21tの62式戦車は、中戦車に分類される。明らかに59式をベースにした62式は、いわば主力戦車59式のスケールダウン版であり、両者はいくつもの共通の特徴を備えている。62式の鋳造・溶接製の砲塔はわずかに小型化されているが、ハッチや備品類は同じである。同様に、転輪やキャタピラも59式のそれの小型版コピーといった出来映えである。62式の主砲は口径85mmで、AP(徹甲弾)、APHE(徹甲榴弾)、HE(榴弾)、HEAT(対戦車榴弾)の各砲弾を発射することができる。装甲は限定的なもので、現代の対戦車砲弾に対する防御能力はほとんど備えていない。北朝鮮は、62式の115 mm主砲装備派生型を生産したことがある。1989年までに1,500輌以上が生産され国内だけでなく海外にも数多く輸出された。現在でも500輌近くが運用されている。

量水陸両用の63式

デアゴスティーニ編集部

▲上面からみた62式軽戦車。

 63式軽戦車は、軽量水陸両用車体に主力戦車並みの火力を積み込もうとした。砲塔と85mm主砲は62式のものと同一で、ソ連製PT-76水陸両用軽戦車をコピーした車体を持ってはいるものの、動力機構は中国国産の77式装甲兵員輸送車のものを流用している。中国製は、側面が高く、前面板の傾斜がほとんど水平に近いことと、エンジン・グリルの形状が異なるのが特徴である。PT-76の空気取入口は、大型のものを1か所装備しているのに対し、中国の63式の側面空気取入口は、3か所に分かれた縦スロット型である。
 旧式の62式戦車は、すでに大部分が第二線クラスの部隊か訓練用途に回されているが、人民解放軍にはまだ多数が在籍している。それとは対照的に、63式戦車は立派な第一線兵器であり、人民解放軍海軍陸戦隊に多数が装備されている。いずれの戦車もアフリカやアジアの中国同盟国に供与されており、ベトナム戦争の末期には北ベトナム軍でも使用されている。
 中国では63式水陸両用戦車の主砲を62式軽戦車と同様に、従来の85mm砲から105mm低圧砲に改修しており、それは63A式水陸両用戦車と呼ばれる。また、北朝鮮でも、1980年代前半にVTT-323装甲兵員輸送車(63式装甲兵員輸送車の車体延長型)の車体の延長型に85mm砲塔(砲塔の形はPT-76に似ている)を搭載した、水陸両用のPT-85軽戦車を開発している。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲中国人民革命軍事博物館に展示されている63式水陸両用戦車。

62式戦車
乗員:4名
寸法:全長7.90m(前向き主砲含む)、車体長5.55m、全高2.25m、全幅2.86m
エンジン:出力430馬力のディーゼル・エンジン1基
重量:21t
性能:最大路上速度50km/h、路外速度35km/h、航続距離450km、渡渉水深1.40m、越堤能力0.70m、越壕能力2.55m
兵装:口径85mm滑腔砲1門(砲弾携行数40発)、12.7mm対空機関銃1挺、7.62mm機関銃2挺
装甲:車体部15〜100mm、砲塔前面200mm

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2017/01/30


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