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M42

【第54回】M42  <自走対空砲>


 M42ダスター自走高射機関砲は、朝鮮戦争の戦訓から、新型自走式対空砲の必要性を感じたアメリカ陸軍によって1952年に開発された自走式対空砲である。ダスターとは「掃除人」もしくは「(掃除用の)はたき、雑巾」の意味だ。

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M19砲塔を流用

デアゴスティーニ編集部

▲基本的に開放型プラットフォームのM42ダスター自走高射機関砲。

 第二次世界大戦末期に、M24軽戦車のコンポーネントを用いたM19対空自走砲が作られていたが、これは車体のサイズが小さかったため能力不足で、本車では同じ武装を余裕のあるT37とT41試作軽戦車(後のM41軽戦車)の車台に搭載して試験を行、T141とT141E1が試作されて評価試験が行われた。T141E1は自身がレーダーを搭載し、射撃管制装置を載せたT53との組み合わせで運用されるため高価で、結局、安価なT141がM42として1953年10月に採用された。
 1954年から配備されたM42の砲塔はM19からの流用であるが、M19の砲塔が車体後部にあるのに対し、M42では車体中央部に取り付けられている。T141の開発コードで呼ばれたM42は、1956年までに約3,700両が生産され、そのほとんどはゼネラル・モーターズ社のキャデラック自動車部門がクリーブランド戦車工場で生産したものであった。後期型はM42A1と呼ばれ、エンジンを燃料噴射式に変更した点が主な違いであった。M42は、M41と同じくガソリン・エンジンを使用しており、航続距離が非常に短いことが大きな弱点の一つであった。
 M42の車体と砲塔は総鋼板溶接構造である。乗員は6名で、車長と操縦手が車体前方に着座し、他の4名は車体中央部の砲塔内に座る。エンジンとトランスミッションは車体後部に配置され、車両内部には二酸化炭素消火設備が装備されている。サスペンションは定評のあるトーション・バー式である。車輪部は、2層ゴムタイヤの転輪5個と、後部にドライブ・スプロケット、前部にアイドラー(遊動輪)、さらに上部小型転輪3個で構成される。

M42の兵装

デアゴスティーニ編集部

▲陸上自衛隊に供与されたM42。千葉県千葉市の陸上自衛隊高射学校の展示品。

 M42の砲塔と2連装40mm機関砲は動力駆動である。砲塔は360°旋回(旋回速度は40°/sec)が可能で、機関砲の仰俯角は−3°〜+85°(25°/sec)である。この砲塔は、緊急時用に手動で操作することもできる。搭載弾薬数は合計480発で、1砲身につき120発/minの発射が可能、有効対空範囲は5,000mである。砲手は単発かフルオート射撃かを選択でき、AP-T(曳光徹甲弾)、HE-T(曳光榴弾)、HEI-T(曳光焼夷榴弾)、TP-T(曳光訓練弾)の4種の弾薬を搭載する。自衛用としてM60機関銃またはM1919A4機関銃(ともに7.62mm)を砲塔の左後方外部に装着し、1,750発の弾薬を車内に搭載する。
 M42は基本的に開放型プラットフォームで、射撃統制システムとしてM38コンピューター照準器、M24リフレックス照準器、スピード・リング照準器を備えている。レーダー射撃統制システムの搭載も検討されたが、これは中止された。
 M42はベトナム戦争でアメリカ、南ベトナム両陸軍により使用されて効果を挙げた。ただし、その主な役割は、本来の設計意図である対空砲火ではなく、地上支援砲火であった。アメリカ陸軍のM42は1990〜91年に最後の車両が退役した。アメリカの他、オーストリア、西ドイツ、日本、中東各国に供与された。      陸上自衛隊では本車以前に供与されていた35輌のM19の後継として、1960年から22輌を購入し、第7師団第7特科連隊第5大隊(現在の第7高射特科連隊)に集中配備された。

諸 元

M42
乗員:6名
寸法:全長6.35m(砲身含む)、車体長5.82m、全幅3.23m、全高2.84m
エンジン:出力500馬力のコンチネンタルAOS-895-3 6気筒空冷ガソリン・エンジン1基
戦闘重量:22,452kg
性能:最大路上速度72.4km/h、最大路上航続距離161km、登坂能力60%、越堤能力0.711 m、越壕能力1.829m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2017/06/27


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