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サン・シャモン突撃戦車

【第76回】サン・シャモン突撃戦車 <戦車>


 サン・シャモン突撃戦車は、フランスの開発した初期の戦車で、第一次世界大戦で使用された。1916年にはオムクールのサン・シャモン工場で最初の試作車が完成した。この新型戦車は、その後広くサン・シャモン突撃戦車と呼ばれるようになった。

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長すぎる車体

▲初期のフランスのサン・シャモン戦車。

 サン・シャモン突撃戦車は、フランス軍による最初の試みであったにも関わらず、いくつかの斬新な特徴を備えていた。シュナイダー突撃戦車と同様、ホルト製トラクターのサスペンションとキャタピラを使用してはいたが、サン・シャモン突撃戦車では、接地面を長めにとるためにキャタピラが延長されていた。キャタピラを駆動する動力伝達系統は、ガソリン・エンジンで電動機を回すという珍しい形式が採用された。このガソリン/電気式トランスミッションは作動上の問題こそなかったが、重くて容積がかさみ、計画重量を5t以上も超過してしまった。また、車体の前後がキャタピラよりも大幅に張り出していたことも、重量増加の原因となった。このため、不整地走行の際やごく小さな壕を越える際に、車体の前か後ろが地面につっかかって、すぐに行動不能に陥った。これは実戦兵器としては軽視できない欠点であり、ドイツ側はサン・シャモン突撃戦車の越壕能力が低いことを即座に見抜いて、塹壕幅を広げる対策をとった。
 サン・シャモン突撃戦車は、一般的な75mmのモデル1897野戦砲を車体前部に搭載したほか、最大4挺の機関銃を車体の周囲に搭載することができた。最大装甲厚は17mmだった。

お粗末な機動力

▲サン・シャモンは、機関銃4挺と75mm砲1門で、先進的なガソリン/電動複合機関を備えていた。

 サン・シャモン突撃戦車は、路外行動能力の低さゆえに実戦投入が制限され、1917年のうちに、より新しいルノーFT17戦車への交代が始まって、余剰となった車体の多くはサン・シャモン補給戦車に改造された。砲戦車としての最後の大規模作戦は、1918年7月のランス近郊における反攻で、このときには131両が戦闘に投入された。
 サン・シャモン突撃戦車の生産総数は400両で、生産は1918年3月まで行われ、初期発注分の377輌が生産されたが、追加発注は行われず、第一次世界大戦終戦時に在籍していたのは、このうちわずか72両だった。この戦車は、前面装備の75mm砲やガソリン/電気式の駆動機構、キャタピラの延長など、戦車の未来を示す斬新な特徴をいくつも備えていたが、総合的には路外走行能力に劣る失敗作と言わざるをえず、実戦でもほとんど力を出せずに終わった。
 第一次世界大戦後、54輌が運搬車として改造された以外、少数がアメリカに譲渡され、残りは廃棄された。 現存する車輌としては、アメリカのアバディーン性能試験場に生き残っていた一輛がフランス政府に寄贈され、ソミュール戦車博物館に展示されている。

諸 元

サン・シャモン突撃戦車
乗員:9名
寸法:全長8.83m(砲身含む)、車体長7.91m、全幅2.67m、全高2.34m
エンジン:出力90馬力のパナール液冷4気筒ガソリン・エンジン1基、クロシャ・コラード電気式トランスミッション
重量:23t
性能:最大速度8.5km/h、航続距離59km

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/04/26


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