模型を作ってシェアするホビーコミュニティ ホビコム by デアゴスティーニ

KV-1

【第82回】KV-1 <戦車>


 KV-1は、ソ連軍の重戦車(45トン級)である。当時のソ連国防相であるクリメント・ヴォロシーロフの名を冠したもので、ソ連での略称はКВ。1939年に開発され、第二次世界大戦初期から中期にかけてT-34中戦車と共にソ連軍機甲部隊の中核をなした。

ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは


破格の重装甲

▲軽量化と駆動系を改良したKV-1S。

1938年にソ連はT-35重戦車の後継となる戦車の必要性を感じ、複数の設計局がその設計に着手した。設計案では多砲塔タイプのものが多かったが、実際に製作された試作車のほとんどは砲塔を2基装備するものであった。その中にあって、あるチームは単一砲塔の重戦車を設計した。当時の国防相(国防人民委員)、クリメンティ・ヴォロシーロフの名にちなんでKV-1と名づけられた。この戦車は、ほかの設計案に比べて機動性が高く、1940年のフィンランド侵攻作戦に投入されて実地試験が行われた。このときの兵装は、76.2mm 30.5口径長砲1門と7.62mm機関銃2挺で、最大100mmの装甲を装備していた。

 当時としては破格の重装甲を誇ったKV-1は、独ソ戦当初、ドイツ軍の戦車や対戦車砲から放たれる砲弾をことごとく跳ね返し、ドイツ軍をして「怪物」と言わしめた。その一方、トランスミッションや砲の照準装置などの機械的信頼性、品質の低さはきわめて深刻であった。その後KV-1は、76.2mm 39口径長砲を装備したKV-1A(1940年型)として量産発注された。

攻撃の先鋒と速度不足

▲最初は短砲身の76.2mm主砲を搭載していた1939年型のKV-1。

 KV-1重戦車は後続の戦車設計の基礎を確立するとともに、ソ連軍に長く就役して、敵軍が恐れる手強い戦車の一つとなった。KV-1は突撃戦車として使用されることが多く、数多くの攻撃で先鋒を務めた。KV-1B (1941年型)では、車体と砲塔の前/側面の装甲が25〜35mmも厚みを増し、砲塔は溶接装甲のものから鋳造構造へと発展した。続くKV-1C(1942年型)ではさらに防護が強化されたが、これらの追加装甲のほとんどは、基本装甲の上にボルトで留めただけのものだった。
 KV-1はサイズのわりに火力不足であったが、76.2mm砲を107mm砲に換装する計画は試験段階にとどまり、その代わりに76.2mm砲が長砲身型に換装された。また、1943年には主砲に85mm砲を採用したKV-85が登場している。
 KV-1は、初期には駆動機構に重大な問題を抱えていたが、ほとんどは後に解消された。しかし、急速に肥大化する装甲に対してエンジン出力が追いつかず、大半の車両が期待された速度に達しなかった。この問題は、出力を100馬力増加させたKV-1Cでも解決できなかった。
 そこで、アップリケ装甲をすべて外し、車重を軽くすることで速度の増加を図ったKV-1S (Sは「快速」の意味)が少数生産された。このKV-1では、車長が装填手も兼任しなければならなかったため、車長が往々にして車外の戦況を把握できなくなるという欠点があった。

諸 元

KV-85
乗員:5名
寸法:全長6.68m、全幅3.32 m、全高2.71m
エンジン:出力600馬力のV-2K V型12気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:43t
性能:最大路上速度35km/h、最大路上航続距離150km、登坂能力36%、越堤能力1.2m、越壕能力2.59m
兵装:85mm主砲1門、7.62 mm機関銃3〜4挺

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/10/29


ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。