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95式小型乗用車

【第84回】95式小型乗用車 <汎用車>


 95式小型乗用車は、日本陸軍の小型軍用乗用車で、愛称はくろがね四起(よんき)。日本初の国産実用四輪駆動車として日本内燃機が開発し、日中戦争、第二次世界大戦における陸軍の主力乗用車として使用された。

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初の国産実用四駆

▲95式小型乗用車のフロント。

1930年代中期に満州国とソ連の間で国境紛争が頻発し始めると、日本陸軍は4×4駆動方式で不整地機動性に優れた軽量斥候車を緊急に必要とするようになった。1934年、陸軍は不整地走行性能に富む小型の偵察(斥候)・連絡(伝令)・人員輸送用車両(軽四起)の開発を日本内燃機(現:日産工機)、豊田自動織機自動車部(現:トヨタ自動車)、発動機製造(現:ダイハツ工業)、岡本自転車自動車製作所の各自動車メーカーに依頼した。試作型の評価の結果、最も優れていた日本内燃機製が制式採用され、その結果誕生したのが95式小型乗用車(くろがね4輪起動車、通称くろがね4起)で、1936年から量産され、車両は各種ボディ・タイプを含めて合計4,800両ほどが製造された。旧日本陸軍が使用したこの種の車両は、大半がアメリカ製かアメリカ製設計のコピー品であり、95式小型乗用車はほとんど唯一の国産設計車両であった。

 当時の量産軍用車としては国産初の四輪駆動機構を備え、道路整備状況の悪い中国大陸や東南アジア方面などで極めて良好な走破性を発揮した。現在、石川県小松市の日本自動車博物館に、後期型トラックタイプが94式六輪自動貨車甲と良好な状態で展示されている。

空冷エンジンの採用

▲ノモンハン事件でソ連に鹵獲された95式小型乗用車。

 95式小型乗用車は空冷エンジンを採用していたが、清浄な水の入手が困難な極寒の満州や中国北部ではこのエンジンが好都合であった。当初は4輪駆動機構、とりわけ前輪のユニヴァーサル・ジョイントにトラブルが発生したが、この問題はその後解決した。極端な悪路を走行するため、タイヤにはゴムのトレッド層を厚くした特別製タイヤが用いられた。
 動力機関は排気量1,399cc、最大出力33馬力の2気筒4ストロークのV-1-A-Fガソリン・エンジン1基で、同エンジンの圧縮比は5:1、シリンダー・ヘッドは脱着可能であった。点火方式は高電圧マグネトー式で、12Vの発電機でバッテリーを充電し、12Vの電気式スターターを備えていた。油圧を維持するためにギヤ・プレッシャーのオイル・ポンプが使用され、燃料ポンプには在来式のものが採用された。燃料タンクは主タンクと副タンクの2つに分かれ、前者の容量は35r、後者は4r、燃料消費率は公称4r/hであった。クラッチには乾式単板式が使用された。フット・ブレーキは機械式で、非常用の機械式拡張式ブレーキと連動していた。
 95式小型乗用車は、日本陸軍のソフトスキン車両としては、数少ない国産モデルである。くろがね4起には、コンヴァーティブル、密閉キャブ、トラック型などの各種が存在した。

諸 元

95式小型乗用車

寸法:全長3.38m、全幅1.52 m、全高1.68m、軸間距離2.01m
エンジン:出力33馬力の2気筒4ストロークV-1-A-Fガソリン・エンジン1基
トランスミッション:選択摺動式前進3速/後進1速ギヤ
タイヤ:6×18
重量:1,100kg

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/12/19


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