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PT-76

第二次世界大戦において陸戦の戦術に革命をもたらし、その後コンピューター制御の火器システムを搭載するハイテク・マシンとして発展を遂げた、戦車などの重装甲車を取り上げます。


 PT-76は、ソ連が開発した水陸両用の軽戦車である。1951年から量産されたが、改良されつつ現在でも運用されている。車体は信頼性に富み、大型であることもあり、水陸両用装甲兵員輸送車BTR-50などの元ともなった。

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ソ連軍の標準偵察車

1920年代にソ連は水陸両用能力を持つ一連の軽戦車を開発し、これらは成功の度合いは異なるものの、第二次世界大戦を通じて使用された。ソ連は大戦終了後もこの方針を維持し、IS重戦車シリーズを担当した設計チームが、1950年代初期までにPT-76水陸両用軽戦車を完成させた。PT-76は長年にわたり、ソ連軍の標準偵察車として、BRDM-1、BRDM-2の両4×4水陸両用偵察車と並んで使用された。

 この戦車の生産はかなり前に完了し、ソ連軍ではすでにT-72などの主力戦車やBMPの派生型と交代しているが、いまだに世界各地でPT-76に出くわすことがある。PT-76は、インド・パキスタン戦争ではインド陸軍側で使用され、1967年の第三次中東戦争ではエジプト陸軍が、ベトナム戦争では北ベトナム軍が、南西アフリカの紛争ではアンゴラ陸軍が実戦に投入している。
PT-76のシャシーは後に数多くの車両に利用され、その中にはBTR-50水陸両用装甲兵員輸送車(APC)や、FROG(地対地ロケット)システムの発射車両などがある。

限定的な貫通能力

▲ZSU-23-4のベース車体となったPT-76の車体。

 PT-76の車体は全溶接鋼鉄構造で、小火器から身を守れる程度の防御能力しかない。これ以上少しでも装甲を追加すると、車重の増加によって水陸両用能力が失われるためである。操縦手は車体前部中央に着座し、2名用砲塔が車体中央部、エンジンとトランスミッションは車体後部に配置されている。足回りは、トーションバー式サスペンション、片側6個の転輪、後部ドライブ・スプロケット、前部アイドラーからなり、上部小型転輪はない。
 主砲は76.2mm D-56T砲で、主砲同軸には7.62mm SGMT機関銃が装備されている。これに加えて、砲塔頂部に12.7mm DSHKM機関銃を装備している車両も少なくない。携行可能な弾薬数は、76.2mm弾が40発、7.62mm弾が1,000発である。弾薬は、曳光徹甲弾(APT)、曳光焼夷徹甲弾(API-T)、破片榴弾(HE-FRAG)、対戦車榴弾(HEAT)、高速曳光徹甲弾(HVAP-T)など、数種類の固定弾薬を発射できる。HEAT弾は入射角0°で120mmの装甲を貫通可能で、HVAP-T弾は射程1,000mで58mm、または射程500mで92mmの装甲を貫通できる。しかし、この貫通能力は近年の戦車に対しては十分とは言えず、PT-76が各国の陸軍から姿を消していったのは、これが一因と考えられている。
 PT-76の最大の持ち味は水陸両用能力であり、ポーランドおよびソ連の海兵隊でもPT-76が採用されたのは、この能力ゆえである。浮航時には2基のウォーター・ジェットで推進し、最大速度は10km/h、最大浮航距離は約65kmである。浮航前には、車体前部のトリム・ベーンの起立、ビルジ・ポンプの起動、ウォーター・ジェットの始動が行われ、浮航時には、操縦手が前方を視認するために、ペリスコープをハッチ・カバーの上に伸ばすことができる。PT-76は赤外線ライトを標準で備えるが、NBCシステムは装備されていない。

諸 元

PT-76
乗員:3名
寸法:全長(主砲含む)7.63m、車体長6.91m、全幅3.14m、全高2.26m
エンジン:出力240馬力のV-6B 6気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:14.6t
性能:最大路上速度44km/ h、最大路上航続距離260km、渡渉水深/水陸両用、登坂能力60%、越堤能力1.1m、越壕能力2.8m
(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2020/09/25


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