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AA-8“エイフィド”

【第106回】AA-8“エイフィド”  <対空ミサイル>


 R-60(ロシア語「P-60」)は、ソビエト連邦の第4設計局「モルニヤ」(ヴィーンペル科学製造連合)が開発した、赤外線追尾式の短距離空対空ミサイルである。北大西洋条約機構が定めたNATOコードネームはAA-8 エイフィド。エイフィドとはアブラムシの意味。

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当初はMiG-23向けの装備

▲ソ連空軍のMiG-21SM。主翼内側ハードポイントにR-60、外側ハードポイントにR-3R(SARH誘導)を装備。

 ソ連/ロシアではR-60の名称で呼ばれるAA-8“エイフィド”短射程空対空ミサイル(AAM)は、AA-2“アトール”シリーズの後継ミサイルとして開発された。
 R-60は、当初はMiG-23向けの装備として1960年代後半に開発が開始され、モルニヤ設計局内部ではK-60のコードネームが与えられた。1973年には生産が開始され、R-60(NATOコードネーム:エイフィドA)として制式採用された。
 “エイフィド”は、特に小型に設計された空対空ミサイルで、ソ連製の兵器としては珍しく、赤外線誘導型のみが製造されている。このミサイルは、ほとんどのソ連製固定翼戦術作戦機に自己防御兵器として搭載されているほか、一部のMi-24V“ハインド”攻撃ヘリコプターにも装備されている。
 “エイフィド”は、1973年からソ連空軍と海軍に配備が開始された。このミサイルは、ルーマニアでライセンス生産も行われており、同国ではA-95と呼ばれる。1982年に導入された改良型R-60Mでは、従来の型が目標後方からの攻撃に限定されていたのに対し、全方位から攻撃できる電子光学式信管が装着され、前方目標に対する射程が5kmに延長されている。この型は、ヘルメット式照準装置を使用して発射することが可能である。なお、輸出型はR-60MKと名づけられている。

優れた運動性

▲ソ連海軍航空隊Yak-38の内側主翼にR-60を装備している。

 特に近接格闘戦用に設計された“エイフィド”は、運動性がきわめて高く、R-60Mは8Gで目標を追尾することができる。ミサイルは、先端を切り落とした長い翼弦の三角翼4枚を尾部に備え、前端近くには、矩形の固定式前翼4枚と三角形の可動式制御翼4枚が取り付けられている。尾翼先端の後縁にはローレロンがあり、飛翔中にミサイルをロール安定させる。可動式制御翼の後ろには2個のアクティブ・レーダー信管用アンテナがあり、そこから本体に沿ってストレーキが後方に延びている。ウクライナで行われた改修では、4個の赤外線探知装置が追加されたことにより、横方向に毎秒30°で移動する目標に対して、探知距離が10kmまで延長されている。標準の弾頭は高性能炸薬/破片型であるが、これに1.6kgの劣化ウランを混入することで、破壊力の向上が図られている。
派生型として、 2017年にベラルーシのBSVTが公開したアップグレード型のR-60BMは、ミサイルの妨害抵抗を大幅に増加させる新しい2レンジシーカーを特徴とし、新しいデュアルモードエンジンと新しいオートパイロットコントロールユニットを備えミサイルの動作範囲は10㎞、最大は20kmとなっている。また目標近くで確実に弾頭を起爆するため新しいレーザー近接信管が装備されている。戦闘機または防空ミサイルシステムから発射することが可能である。

諸 元

R-60(AA-8“エイフィド”)

寸法:全長2.08m、翼直径43 cm、胴体直径13cm
発射重量:63kg
性能:速度マッハ3、射程3km (R-60)または5km(R-60M)
弾頭:3kg高性能炸薬/破片型とアクティブ・レーダー信管(R-60)またはアクティブ・レーザー信管(R-60M)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp。

公開日 2021/10/22


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