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グラマンF6Fヘルキャット

【第14回】グラマンF6Fヘルキャット <艦上戦闘機>


グラマンF6Fヘルキャットは、第二次世界大戦時のアメリカ海軍戦闘機では筆頭に挙げられる名機であり、対地攻撃や近接航空支援でも非常に優れた実績を築いた。ヘルキャットは機体の先進性ではヴォートF4Uコルセアにおよばなかったが、大量配備された頑丈な機体は、海軍の戦闘機パイロットが望みうるすべての要素を備えていた。

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ヘルキャットの装備

デアゴスティーニ編集部

▲ヘルキャットはアメリカ海軍の主力艦上戦闘機となった。愛称のヘルキャットは、直訳すると「地獄の猫」だが、「意地の悪い女」という意味もある。

F6Fは、アメリカ海軍の主力艦上戦闘機となったF4Fの後継機として開発された。対気速度計用ピトー・ヘッドは、翼端の気流の乱れの影響を受けないよう、右翼端の下側に取り付けられていて、そのすぐ横には右側航法灯があった。主翼は外翼を90°回しながら後部胴体側面にぴったりと付ける形で後方に折り畳まれた。主翼の折り畳み機構は空母での格納を考慮したものだ。
ヘルキャットの代表的な固定兵装は主翼内のブローニング12.7mm機関銃6挺である。これらの機関銃は砲口に段差を付けて取り付けられ、弾薬は1挺あたり400発を搭載した。F6F-5の後期生産機には、2挺の機関銃を20mm機関砲に交換した機体もあった。イラストのヘルキャットは、6挺のブローニング機関銃のほかに、ロケット弾6発と爆弾2発を積んでいる。無誘導ロケット弾は太平洋戦争末期にヘルキャット部隊が多用した対地攻撃兵器で、硫黄島と沖縄の攻防戦で大量に使用された。左上の正面図で薄い色で描かれた部分は、主翼を折り畳んだ位置を示している。
F6F-5ヘルキャットのエンジンは、9気筒を複列配置にしたプラット&ホイットニーR-2800-10Wダブル・ワスプ星形エンジン1基である。出力は2,200馬力で、前方にある減速歯車ハウジングを介してハミルトン・スタンダードの3翅ハイドロマチック可変ピッチ・プロペラを回転させた。コックピットの下と内翼の構造内に設けられたセルフ・シーリング燃料タンクは合計容量889rで、燃料は胴体側面と主翼付け根のキャップから注入した。

イギリス海軍のヘルキャット

デアゴスティーニ編集部

▲イギリス海軍が使用した4種類のタイプのヘルキャットは(当初はガネットMkIと呼ばれた)、基本的にアメリカ海軍のF6F-3、F6F-5、F6F-5Nと同じだ。(写真/DeA Picture Library)

イギリス海軍は、武器貸与法によって受領した252機のヘルキャット(当初はガネットMkIと呼ばれた)を使用した。これらのヘルキャットには4種類のタイプがある。ヘルキャットMkI(写真)は基本的にアメリカ海軍のF6F-3と同じで、MkII(後にF.MkII)はF6F-5、MkII(NF)/NF.MkIIはF6F-5N夜間戦闘機のイギリス海軍名である。MkII(PR)/PR.MkIIはカメラを搭載したFR.MkIIがベースとなっており、高速偵察用に兵装をすべて取り外していた。イギリス海軍航空隊(FAA)が第二次世界大戦中に撃墜した455機のうち、52機はヘルキャットによるものであった。この戦闘機は、ドイツ戦艦「ティルピッツ」への攻撃をはじめ、スカンジナビア周辺の対ドイツ艦船作戦で上空援護を実施し、瞬く間に注目を浴びる存在となった。
1944年4月の「ティルピッツ」攻撃での活躍で一躍有名になったヘルキャットは、その後の2か月間にわたってノルウェー沖の水域で洋上攻撃作戦に参加し、上空援護を担当した。その後、「エンペラー」のヘルキャットは地中海に移動して、1944年8月の南フランスへの侵攻に参加した。第800飛行隊はイギリス海軍で最初にヘルキャットが配備された部隊で、1943年7月に初めて機体を受領した。
イギリス海軍のヘルキャットは主に北大西洋と地中海で戦ったが、1945年9月には第800飛行隊のヘルキャットが、シンガポールにおけるイギリス統治権回復のため、同地に向けて出発した。ヘルキャットは戦争末期に、東インド諸島、マレー半島、ビルマで戦闘に加わり、最終的には日本本土に対する攻撃にも参加している。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲ヘルキャットには、ブローニング12.7mm機関銃6挺(1挺あたり弾薬400発)、加えて爆弾2〜3発(最大907kg)と127mm HVAR(高速航空機ロケット弾)最大6発を搭載可能だ。(写真/DeA Picture Library)

F6F-5ヘルキャット
機体寸法
全幅:13.05m
全幅(主翼折り畳み時):4.93m
全長:10.24m
全高:3.99m
主翼面積:31.03m2
翼面荷重:410.87kg/m2
エンジン
出力2,200馬力のプラット&ホイットニーR-2800-10Wダブル・ワスプ18気筒星形ピストン・エンジン1基
重 量
自重:4,152〜4,191kg
通常離陸重量:5,670kg
最大離陸重量:6,991kg
燃料搭載量
機内燃料:946r
機外燃料:568r
性 能
最大速度(中高度):621km/h
初期上昇率(クリーン時):908m/min
実用上昇限度:11,369m
巡航速度:270km/h
高度6,096mへの上昇時間:7分30秒
機内燃料による航続距離:1,674km
兵 装
ブローニング12.7mm機関銃6挺(1挺あたり弾薬400発)、加えて爆弾2〜3発(最大907kg)と127mm <acronym title="高速航空機ロケット弾">HVAR</acronym>最大6発を搭載可能

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/02/27


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