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スーパーマリン・スピットファイア

【第39回】スーパーマリン・スピットファイア <迎撃戦闘機>


 スーパーマリン・スピットファイアは、シュナイダー杯レースに優勝した水上機から誕生した戦闘機である。第二次世界大戦でイギリス空軍をはじめ連合軍で使用された。バトル・オブ・ブリテンの際、イギリスをドイツ空軍の手から救った救国戦闘機として有名である。

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マーリン搭載機の系譜

デアゴスティーニ編集部

▲イングランド・ケンブル空港を飛び立ったスピットファイアMk IIA。

 1936年3月5日に初飛行したスピットファイアMkIは、ロールスロイス・マーリンIIエンジンと機関銃8挺を積んで1938年8月にイギリス空軍に就役し、多数が1940年の「バトル・オブ・ブリテン」に参加した。この戦闘で本土防空に大きく貢献したスピットファイアは、今もイギリスの救世主として語り継がれている。
 マーリンXIIエンジンを積んだスピットファイアMkIIは1940年9月に登場し、MkIIBは20mm機関砲2門と機関銃4挺を搭載した。
スピットファイアは、1939年11月という早い時期から、写真偵察任務にも用いられた。この種の特殊任務機で最初に登場したのは、スピットファイアPR.MkIAとPR.MkIBであった。さらに、MkIからは、PR.MkIC、PR.MkID、PR.MkIE、PR.MkIF、PR.MkIGの偵察型が続いたが、これらは、1942〜43年にスピットファイアの型式名が整理された際に、それぞれPR.MkIII、PR.MkIV、PR.MkV、PR.MkVI、PR.MkVIIに名称変更された。
 スピットファイアPR.MkIVに続いて、1,440馬力のマーリン45エンジンを搭載する非常に高性能のスピットファイアMkV(製造数6,479機)が1941年3月に登場した。戦闘爆撃型のMkVCは、500lb(227kg)爆弾1発または250lb(113kg)2発を積むことができた。MkVBは1941年半ばから1942年半ばにかけて戦闘機軍団の主力機となり、さらに、MkVCのエンジンを2段2速過給器付きのマーリン61(1,660馬力)に換装したMkIXが登場した。
 スピットファイアMkVIとMkVIIは、翼端を延長して高高度性能を強化した型であった。決定版となったMkVIII戦闘機/戦闘爆撃機は完全に熱帯地用に改修され、主に地中海および極東方面で使用された。スピットファイアMkXとMkXIは非武装の写真偵察型で、これに続いてMkXVIが戦闘機/戦闘爆撃機として製造された。MkXIの機体構造をもとにしたMkXVIは、多くが翼端を切り落とし、胴体背部を切り詰めてバブル・キャノピーを取り付けていた。エンジンはパッカード製のマーリン266で、最高速度652km/hを誇った。

グリフォン搭載機の登場

デアゴスティーニ編集部

▲編隊飛行を行うスピットファイア Mk.Ia。

 初めてマーリン以外のエンジンを積んだスピットファイアはMkIVで、ロールスロイス・グリフォンIIBエンジンを使用した。マーリンを搭載した既存のPR.MkIVと混同しないように、グリフォン搭載のMkIVはまもなくMkXXに名称が変更された。MkXXは、1,735馬力のグリフォンIVエンジンを搭載するMkXII低高度戦闘機の試作機に改修された。これは、イギリス本土南部の攻撃に来襲するFw190戦闘爆撃機の脅威に対抗するためであった。MkXIIは1943年に登場し、続いて2,050馬力のグリフォン65エンジンを積んだMkXIV戦闘爆撃機が出現した。FR.MkXIVから発展したMkXVIIIは最高速度712km/hの戦闘偵察型で、この型の部隊配備が始まった頃に戦争は終了した。
 イギリス海軍航空隊では多数のシーファイアが使用され、こちらもグリフォンとマーリンの両エンジンを積んだ多くの型が存在した。
スピットファイアは第二次世界大戦後も就役を続け、イギリス空軍のスピットファイアMkXVIIIはマラヤで戦闘に参加した。また1949年には、イギリスのMkXVIIIとイスラエルのMkIXが、中東で同機種同士の空中戦を繰り広げた。
グリフォン・エンジン搭載のスピットファイアMkXXIは1942年12月に初飛行してドイツ降伏の直前に就役したが、終戦後は短期間だけMk21として使用された。スピットファイア戦闘機で最後の型となったのはMk22とMk24で、イギリス空軍の第一線戦闘機として最後まで残ったのは、1952年に香港補助空軍に引き渡されたMk24であった。最後に任務飛行を行ったのは気象偵察型のスピットファイアPR.Mk19で、ボルネオ島でインドネシアとの紛争が始まった1963年であった。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲第41飛行中隊のスピットファイア Mk. XII。

スーパーマリン・スピットファイアMkVB
タイプ:単座迎撃戦闘機
寸法:全幅11.23m、全長9.11 m、全高3.48m、主翼面積22.48m2
エンジン:1,440馬力のロールスロイス・マーリン45/46/50 V型12気筒ピストン・エンジン1基
重量:自重2,313kg、最大離陸重量3,078kg
性能:最大速度602km/h(高度13,000ft)、高度6,095mへの上昇時間7分30秒、実用上昇限度11,280m、航続距離756km(機内燃料のみ)
兵装:主翼内に20mm機関砲2門とブローニング7.7mm機関銃4挺

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/03/28


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