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マクダネル・ダグラス/BAeハリアーGR.Mk5/7

【第78回】マクダネル・ダグラス/BAeハリアーGR.Mk5/7 <支援機>


 ブリティッシュ・エアロスペース ハリアー IIは、イギリス空軍(RAF)で使用されたホーカー・シドレー ハリアーの第二世代に相当する垂直/短距離離着陸(V/STOL)ジェット機で、ハリアー GR.Mk5、発展型としてハリアーGR.Mk7と名付けられた。

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GR.Mk7の登場

▲空母「イラストリアス」から発進するイギリス空軍のハリアー GR.Mk7。1998年、ペルシア湾。

 第二世代ハリアー(ハリアーII)のハリアーGR.Mk5は、全体的にはアメリカ海兵隊のAV-8Bとほぼ同じであるが、イギリス空軍が想定した低高度からの戦場近接支援任務に適合させるため、機体構造が強化されている。同空軍用に合計62機のGR.Mk5が発注され、これらはBAeとマクダネル・ダグラスの両社が分担して製造した。
 ハリアーGR.Mk7は基本的に夜間攻撃型AV-8Bのイギリス空軍向けの型で、電子機器などもほぼ同じものを搭載している。GR.Mk5との外見上の相違点は、機首下面にゼウスECM機器用のアンテナを取り付けている点である。GR.Mk7は暗視ゴーグルを使用することもでき、デジタル式カラー地図表示装置を積んでいる。
 GR.Mk7として初めて発注されたのは1988年の要求に基づく34機で、これによってイギリス空軍のハリアーII購入数は合計94機となった。ほかに2機の試作機/前シリーズ機があったが、これらはGR.Mk7の試作機として使用するために、機首の上にFLIRおよびゼウスを取り付けた新しい姿で1989年後期に初飛行した。
 イギリス空軍は、GR.Mk7で追加された機能を高く評価し、既存のハリアーIIをすべて同仕様に改修することを決定した。この作業を楽にするため、ハリアーIIの42〜60号機は、GR.Mk7の電子機器を取り付け可能なGR.Mk5Aとして完成され、改修を待つ間格納状態とされた。これらのハリアーの改修は1990年12月に始まった。77号機以降のハリアーIIにはすべてにLERX(前縁付け根延長部)が取り付けられ、旋回性能が向上した。

イラク上空の監視任務

▲イギリス空軍第1艦隊のハリアー GR.Mk7。

 GR.Mk7の量産初号機は1990年5月に納入され、実戦部隊への配備は8月に開始された。しかし、この時点では多くの重要な機器が未入手で、GR.Mk7には当初、偵察機能がなかった。しかし、イギリス空軍は、イラク上空の飛行禁止空域北部の監視機として、GR.Mk7をジャギュアの後継に選択した。このため、ある程度の偵察能力を持たせる必要性から少なくとも9機が改修されて、旧型のハリアーGR.Mk3用の偵察ポッドを搭載できるよう配線が追加された。これ以降、GR.Mk7にはヴィンテン・ヴィコン18シリーズ601および603偵察ポッドの搭載能力が付加されている。
そのほかにも、搭載が遅れた重要な機器として、30mmアデン機関砲とMAWS(ミサイル接近警報装置)がある。MAWSは、適切な電子対策用機器を自動的に作動させてゼウスを補助する。また、GR.Mk7ではサイドワインダーAAM専用のパイロンを取り付けることができ、攻撃用兵装を満載した状態でも自己防御能力を犠牲にしなくて済む。さらに、このパイロンに一体構造で取り付けられたチャフ・ディスペンサーによって、フィマート・ポッドを別個に携行する必要がなくなった。
 1992年後期には、INAS(慣性航法/攻撃システム)をGPS (全地球測位システム)受信機装備のFIN1075G仕様に改良した機体が初飛行した。GPSを積んでいるかどうかは、胴体背部の小型アンテナの有無で見分けることができる。
イギリス空軍第1飛行隊は1992年にGR.Mk7を受領し、第一線部隊では初めてとなる本格的な夜間攻撃訓練を開始した。現在ハリアーには、TIALDレーザー目標指示ポッド、ブライムストーン対装甲ミサイル、ペイヴウェイIII LGBの装備が進められている。

諸 元

マクダネル・ダグラス/BAeハリアーGR.Mk7

タイプ:単座V/STOL攻撃および近接航空支援機
寸法:全幅9.25m、全長14.53m、全高3.55m、主翼面積21.37m2(LERXを除く)
エンジン:定格静止推力95.6kNのロールスロイス・ペガサスMk105推力変向式ターボファン2基
重量:自重7,050kg、最大離陸重量14,061kg(短距離離陸時)
性能:最大水平速度1,065km/ h(低高度)、実用上昇限度15,240m以上、戦闘行動半径1,101km(500lb[227kg]爆弾7発と2個のドロップ・タンクを積んで短距離離陸するHi-Lo-Hiミッション時)
兵装:胴体下のポッドに固定前方射撃用25mmアデン機関砲1門と弾薬100発を搭載、加えて5か所のハードポイントに最大3,747kgの投下兵装品。兵装品はBL755およびCBU-87集束爆弾、GBU-16、CPU-123/BおよびGBU-24/B LGB、マトラ155またはCRV-7ロケット弾ポッド、サイドワインダーAIM-9L/M AAM、1,000lb(454kg)までの汎用爆弾

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp。

公開日 2019/06/26


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