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フォッカーEシリーズ

二度の世界大戦時から冷戦期、そして現代に至るまで、大空を縦横無尽に駆け巡った戦闘機、爆撃機、攻撃機などの主要軍用機を紹介します。


 フォッカー アインデッカーは、オランダ人技術者アントニー・フォッカーが設計した第一次世界大戦時のドイツの単座単葉戦闘機である。「アインデッカー(Eindecker)」とは単葉機を意味するドイツ語で、フォッカー E.IからE.IVまでの機体を指す。

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連合国から恐れられた戦闘機

▲イギリス軍に捕獲されたフォッカー E.III。

 アンソニー・フォッカーのアインデッカーは、運動能力の優れた機体に信頼性の高いプロペラ同調式機関銃を組み合わせるという、彼の設計構想を具現化したものであった。当機は、パイロットがプロペラを打ち抜くことなくその回転面を通して機関銃を発射することのできる同調装置を備え、対空戦闘を目的に量産された最初の戦闘機でもあった。その威力は「フォッカーの懲罰」として連合国から恐れられた。
 最初に設計されたM5k試作機は、実質的には、戦前にフランスで製造されたモラン・ソルニエ・タイプH単葉機をほぼそのまま模倣したものであった。この機体は1914年に初飛行し、1915年の初期にE.Iとして量産が開始された。フォッカーはこの単葉機にLMG08/15 7.92mm機関銃を搭載し、それに機械的プロペラ同調装置を取り付けた。ルーベ、ヘーベル、レイムバーガーの3名の技術者が設計したこの装置によって、機関銃はプロペラ回転面を通して発射できるようになった。

フォッカーの災厄

▲フォッカー E.III の展示レプリカ。

 1915年5月にフォッカー自身が実戦部隊でE.Iの展示飛行を行い、7月半ばにはドゥエーの第62野戦飛行隊(FlAbt)で、11名のパイロットがE.Iを操縦するようになっていた。この中には、有名なオズワルト・ベルケも含まれていた。また、その少し後にE.Iで操縦を学んだパイロットの中には、マックス・インメルマンがいた。
E.Iはいわば当座しのぎの型で、80馬力のオーバーウルゼル・ロータリー式エンジンを積んで大急ぎで量産に移された。その後、速度を増加させるために主翼面積を縮小したE.IIが部隊に配備されたが、この型はE.Iよりも操縦が難しく、パイロットには人気がなかった。
 主力型となったのは、100馬力のオーバーウルゼルU.Iエンジンを搭載したE.IIIで、1915年8月に初めて西部戦線に姿を現した。ドイツ空軍は、ベルケ、インメルマン、エルンスト・フォン・アルタウス、ハンス-ヨアヒム・ブデッケ、オットー・パルシャウ、クルト・ウィントゲンといったパイロットたちの活躍によって単葉機の無敵伝説を作り上げたが、そのとき最も活躍した機種がこのE.IIIであった。これらの単葉機は「フォッカーの災厄」として、連合軍から恐れられるようになった。
 実は、ドイツ国内でパイロットの死亡する墜落事故が多発したことから、このフォッカー機には飛行禁止命令が出されようとしていた。だが、前線で増え続ける撃墜機数がこれを覆した。E.IIIに続いて、160馬力のオーバーウルゼル複列ロータリー式エンジンを搭載したE.IVが少数製造され、またインメルマン専用に同調式機関銃3挺を積んだ機体も作られた。
 連合軍が「フォッカーの災厄」への対抗策を編み出したのは、1916年4月8日に1機のE.IIIが無傷でイギリス軍の手に落ちてからだとの見方がある。しかし、その前の1月には高性能のニューポールXIがすでに前線に到着しており、2月にはイギリス航空隊(RFC)初のD.H.2部隊となる第24飛行隊が、エースのランス・ホーカーを隊長として戦線に登場している。したがって、フォッカーの凋落はE.IIIの捕獲以前に始まっていたと考えるのが妥当であろう。また、通説とは異なり、フォッカーが積んでいた機関銃は信頼性が低く、弾薬は航空機用には不向きなもので、機関銃自体が凍結することもしばしばであった。
 しかし、1915年秋から1916年春にかけて、アインデッカーがRFCのB.E.2c部隊に大損害を与え、1年近くの間フランス上空の制空権を握っていたことは、れっきとした事実である。

諸 元

▲離陸するアインデッカー。アインデッカーとはドイツ語で単葉機を意味する。

フォッカーE.II

タイプ:単座戦闘偵察機
寸法:全幅9.52m、全長7.20 m、全高2.79m、主翼面積16m2
エンジン:出力100馬力のオーバーウルゼルU.I空冷9気筒ロータリー式ピストン・エンジン1基
重量:自重400kg、最大離陸重量610kg
性能:最大速度140km/h(海面高度)、高度3,000mへの上昇時間30分、実用上昇限度3,500m、航続時間1時間30分
兵装:前方射撃用プロペラ同調式LMG08 7.92mm機関銃1挺(機体によっては2挺)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp。

公開日 2020/04/27


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