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シュルクーフ級

【第104回】シュルクーフ級 <潜水艦>


 「シュルクーフ」級はフランス海軍が建造した大型潜水艦である。1926年度海軍計画により主に長期の通商破壊を任務とする艦として1隻のみ建造が開始され、1934年に竣工したが、敵の商船攻撃に使用される機会は巡ってこなかった。

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巡洋潜水艦

▲1935年に撮影された「シュルクーフ」。

 多くの主要海洋国は、巡洋潜水艦のアイデアを一度は実験している。これらは概して通常より大型で、優れた水上戦闘武器を装備し、航続距離が長かった。有効捜索半径を拡大するために、航空機を搭載したものもある。これらすべての特徴を一つの船体にまとめ上げ、まずまずの成功を収めたと言える唯一の設計がフランスの「シュルクーフ」である。「シュルクーフ」級3隻の1番艦として1926年計画で発注され、結果的に唯一の「シュルクーフ」級となってしまったこの艦は、アメリカの「ナーワル」と比べて全長は短かったが、排水量の点では当時世界最大の潜水艦であった。
 1922年のワシントン条約発効前の時点で、イギリスの潜水艦M1〜M3が305mm(12in)砲を装備しており、この傾向に歯止めをかけるため(これらでさえまったく過大で不格好な代物であったが)、条約では潜水艦に搭載する武装を203.2mm以下の砲に制限した。
 この203.2mm砲を実際に搭載したのはフランスの潜水艦だけで、その艦こそ「シュルクーフ」であった。「シュルクーフ」は複雑な水密構造を持つ砲塔内に203.2mm砲を連装で取り付け、その後部には水密構造の格納庫が続き、内部には特別に設計されたベッソンM.B.411水上機が格納されていた。この水上機は格納庫から引き出して水面に降ろす前に翼を取り付けなければならず、このように時間がかかるうえに危険な作業は、大戦間期の1926年には許容できたとしても、1939年以降の戦争の最中にはとてもできることではない。
 魚雷発射管の構成は、伝統的な艦首装備型550mm発射管4基(再装填魚雷6発)、船体後部4分の3の位置の外殻内に4連装550mm旋回式発射管1基、艦尾の外殻内に4連装400mm旋回式発射管1基(再装填魚雷4発)となっていた。

不明確な運用法

▲イギリス海軍潜水艦X1。イギリス海軍にも「シュルクーフ」と同じコンセプトで建造された「X1」が存在する。

 この「シュルクーフ」のような潜水艦に対して提唱された運用方法は常に不明確なもので、他の同類の艦と同様に、「スルクフ」にも最適な任務が見いだされることはついになかった。1940年7月にプリマスで捕獲されると、自由フランス軍の乗員により大西洋を何度か哨戒した。1941年12月に「スルクフ」は3隻の自由フランス軍コルベットとともにセント・ローレンス河口にあるサン・ピエールおよびミクロンのヴィシー諸島強襲作戦に参加した。「シュルクーフ」は1942年2月にカリブ海を航行中にアメリカ商船と衝突して沈没した。
 なお、「シュルクーフ」という艦名はフランスの私掠船船長ロベール・スルクフに由来する。なお、フランス語の発音をカタカナ表記した場合に最も近いものは「スルクフ( Surcouf)」とされ、日本では「Surcouf」を英語的に発音した「シュルクーフ」と呼称されることもあるが、これは仏語読みとしても英語読みとしても誤りとされる。

諸 元

シュルクーフ級

排水量:水上3,270t、水中4,250t
寸法:全長110.0m、全幅9.0m、吃水9.1m
推進器:ディーゼル2基で7,600馬力、電動機2基で3,400馬力を供給し、2軸を駆動
速力:水上18kt(33km/h)、水中8.5kt(16km/h)
航続距離:水上速力10kt(19
km/h)で18,531km、水中速力5kt(9km/h)で111km
兵装:203.2mm連装砲1基(2門)、37mm砲2門、550mm魚雷発射管8基(艦首4基、船体後部旋回式4基)、400
mm魚雷発射管4基(艦尾旋回式)
乗員:118名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2021/08/24


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