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高雄型

【第105回】高雄型 <巡洋艦>


 「高雄」は、日本海軍の重巡洋艦で、高雄型重巡洋艦(一等巡洋艦)の1番艦である。「高雄」および「高雄」型2番艦「愛宕」は、ワシントン海軍軍縮条約によって建造中止となった天城型巡洋戦艦3番艦「高雄」、同型4番艦「愛宕」の艦名を受け継いでいる。

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「妙高」と同一船台で起工

▲「高雄」型1番艦の「高雄」。艦名は、高雄山に因む。

 第二次世界大戦において最高の威容を誇った日本海軍の重巡洋艦「高雄」型は、「妙高」型と似ているが、さらに巨大で重装甲を施した艦橋構造物を有していた。「高雄」は「妙高」と同一船台で起工されたのだ。また、第2煙突が後ろに傾かないで垂直であることもこの型の目立つ特徴だった。「高雄」型は「妙高」型よりもやや排水量の少ない艦とする計画であったが、それでも設計者たちはより多くの装甲と新しい砲をなんとか詰め込むことに成功した。弾火薬庫には125mmの装甲が施され、20.3cm砲の仰角は、イギリスの「カウンティ」級と同様の最大70°となっていた。しかし20.3cm砲は対空用途には実質的にほとんど役立たなかったので、この型の3番艦「摩耶」では仰角は最大55°に下げられた。砲塔に重装甲を施したアメリカの重巡洋艦とは異なり、日本の砲塔はイギリスの例に倣って25mmという軽装甲だった。
 「妙高」型と同様に、「高雄」型は完成後の数年間に多くの変更が加えられた。この型の1番艦「愛宕」と2番艦「高雄」は1938〜39年をドックで過ごし、2層のバルジを取り付け、魚雷搭載数を倍増した。1942年には、12cm副砲に代えて12.7cm両用砲の装備を行った。排水量は13,400t(そのうち18%は装甲)に増大し、速力は34.25kt(63km/h)に下がった。

太平洋の戦い

▲1932年、館山沖標柱間で全力公試中の「高雄」。

 日米開戦の結果、「摩耶」と4番艦「鳥海」への大規模改装は取り止められた。両艦は古い12cm副砲を撤去し、代わりにより高性能の12.7cm両用砲を装備したが、初期の戦いでは61cm九三式魚雷(アメリカ側の通称「ロング・ランス」)は積んでいなかったと見られる。
 「摩耶」は、1943年11月にラバウルでアメリカ軍爆撃機の爆撃によって大破し、第3砲塔が破壊されたが、代替砲は装備されなかった。その代わりに、12.7cm両用砲4門と25mm対空機関銃約30挺を追加して、防空巡洋艦として再建された。しかし「摩耶」は、1944年10月のレイテ沖海戦の早い段階でアメリカの潜水艦「デイス」と遭遇し、魚雷4発の命中を受けて沈没した。
 「鳥海」も防空巡洋艦への改装が決定されていたが、結局行われなかった。レイテ沖海戦において、「鳥海」はアメリカの護衛空母に接近中、その空母の防御に当たっていた航空機からの爆弾を繰り返し受けて沈没した。「愛宕」はレイテ沖海戦の初期の段階において、アメリカの潜水艦「ダーター」の発射した4発の魚雷が命中して沈没した。「高雄」にも同じ潜水艦からの魚雷2発が命中したが、何とかシンガポールにたどり着いた。しかし、1945年7月31日に錨地において、イギリスの小型潜水艇XE-3により沈められた。残骸は戦後引き揚げられ、マラッカ海峡に沈められた。

諸 元

高雄型

同型艦(進水年):「高雄」(1930)、「愛宕」(1930)、「摩耶」(1930)、「鳥海」(1931)
排水量:基準9,850t、公試時12,781t、改造後「高雄」13,400t/「愛宕」14,600t
寸法:全長192.5m、全幅19.0m、吃水6.1m
推進器:ギアード・タービンで130,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:35.5kt(66km/h)
装甲:舷側100mm、弾火薬庫127mm、甲板35mm、砲台25mm
兵装(建造時):20.3cm砲10門、12cm砲4門(1942年以降は12.7cm両用砲8門)、1944年には全艦に25mm対空機関銃26挺以上、建造時61cm魚雷発射管8基、「高尾」および「愛宕」は1941年以降61cm魚雷発射管16基
搭載機:3機
乗員:773名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2021/09/24


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