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セントー

【第114回】セントー  <軽空母>


 「セントー」は、イギリス海軍の「セントー」級航空母艦の1番艦。1953年就役し、1965年に退役した。同名の艦としては6代目となり、「セントー」級航空母艦は後に順次にコマンドー母艦に転用された。

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「セントー」の誕生

▲航海中の「セントー」。

 イギリス海軍の空母「セントー」(R06)の歴史は、1943年に設計が開始された「ハーミーズ」級8隻に端を発している。艦の設計は「コロッサス」級と似通っているが、能力は大きく向上していた。第二次世界大戦終結後、すでに建造が開始されていた4隻の「ハーミーズ」級空母のうち3隻は、戦後の新艦隊向けに建造が続行され、戦時中に得られた教訓を可能な限り取り入れるよう設計が変更された。これら3隻は「セントー」、「アルビオン」、「ブルワーク」として1947年から1948年にかけて進水し、その後艤装に6年を費やしている。残る1隻は完全に再設計され、「ハーミーズ」として1959年に就役した。
 「セントー」は、実際には他の2隻と比べて若干能力が低い状態で完成しており、アングルド・デッキに見立てた5度のラインが着艦エリアに引かれていた。航空群は16機のシーホーク、16機のファイアフライ、4機のアヴェンジャーAEW.Mk1で構成することが計画された。1950年代後半には、「セントー」に2基の蒸気カタパルトが導入されたが、同艦もその姉妹艦も、イギリス海軍艦隊航空部隊で使用する新世代の航空機を運用するには小さすぎることが判明した。

就役期間

▲「セントー」級航空母艦の3番艦の「ブルワーク」艦上。

 「セントー」はその就役期間のほとんどを地中海と極東で過ごし、1960〜64年にはアデン沖で陸軍の支援任務を実施した。1964年1月には、「セントー」はタンガニーカで起こった暴動鎮圧のため、45名のイギリス海兵隊員およびイギリス海軍のベルヴェデーレ・ヘリコプターを輸送している。
 1956年から1958年にかけて、蒸気式カタパルト、アレスティング・ワイヤー、アングルド・デッキ(6度)などを追加する広範囲な近代化改装を受け、ホーカー シーホーク、デ・ハビランド シーベノムなどのジェット機運用能力を獲得した。1960年には、デ・ハビランド シービクセンとスーパーマリン シミターなどの第二世代の遷音速戦闘爆撃機を運用するための最小限の改装がポーツマスで行われた。完全な改装を受けたハーミーズと比較するとセントーの飛行甲板は狭く、シミターは大きすぎて運用は危険であると判断され、シービクセンのみ搭載されたが、MiG-17、MiG-19、MiG-21の脅威に対して十分に対抗できず、マレーシア建国におけるインドネシアとの対立の際も投入されなかった。
 1966年には、「セントー」は母艦任務に回され、1971年に退役、翌年に解体が始まった。同艦の最終的な航空群は、シービクセン全天候型戦闘機、シミター攻撃戦闘機、ガネット空中早期警戒機を含む21機の固定翼機で構成されていた。また、対潜攻撃および捜索・救難用に8機のホワールウィンド・ヘリコプターも搭載されていた。

諸 元

セントー

排水量:基準22,000t、満載27,000t
寸法:全長224.6m、全幅27.4m、吃水8.2m、飛行甲板幅30.5m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力78,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:29.5kt(55km/h)
兵装:(初期)40mm対空砲32門(6連装2基[12門]、連装8基[16門]、単装4門)、(後期)40mm対空砲20門(連装8基[16門]、単装4門)
電子機器:タイプ982対空捜索レーダー1基、タイプ960対空捜索レーダー1基、タイプ983測高レーダー1基、タイプ277Q戦闘機指揮レーダー1基、タイプ974航海レーダー1基、タイプ275射撃指揮レーダー1基
搭載機:(初期)42機、(後期)29機
乗員:1,390名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp。

公開日 2022/06/27


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