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はつゆき型

【第115回】はつゆき型  <護衛艦>


 はつゆき型は、海上自衛隊の護衛艦の艦級。8艦8機体制のワークホースたる汎用護衛艦(DD)の第1世代として、昭和52年度から昭和57年度で12隻が建造された。設計面では、装備と艦型の縮小の両立、オール・ガスタービン推進方式など、多くの新機軸が盛り込まれた。

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雪に由来する命名

▲はつゆき型3番艦「みねゆき」。

 「はつゆき」型(海上自衛隊の分類では護衛艦)12隻は、1970年代末に海上自衛隊向けに建造が認可された。ガス・タービン推進の「はつゆき」型は、対空、対艦、対潜センサーおよび兵装をバランスよく組み合わせた汎用艦として設計された。最初の7隻は艦橋構造物やその他の上部構造物に重量軽減のためにアルミニウム合金が用いられたが、その後の各艦は鋼製となったため排水量が若干増大した。ネーム・シップである「はつゆき」(DD122)は1979年3月に起工、1980年11月に進水し、1982年5月に就役した。「あさゆき」は1984年に起工し、1987年に就役している。1992年、「しらゆき」(DD123)は、「はつゆき」型の艦で最初に20mm CIWS(近接防御武器システム)ファランクスを装備した。この短射程ながら速射性のある対ミサイル・システムは、1990年代中にほかの艦にも漸次装備された。
 その他の改良点としては、カナダ製ベアトラップ・ヘリコプター着艦拘束装置、および最後の3隻に装備された最新式のECM(対電子戦)装置などがある。1999年、最終艦の「しまゆき」(DD133)が改装され、旧ヘリコプター格納庫内にプレハブ式の実習員講堂を有する練習艦(TV3513)となった。

オール・ラウンド型

▲海上自衛隊DD122はつゆきの68式3連装短魚雷発射管。2009年、横須賀で撮影。

 「はつゆき」型護衛艦は有能なオール・ラウンド型の艦で、フィン・スタビライザーが装備されている。多用途護衛艦(DDA)と対潜護衛艦(DDK)を統合するとともに、欧米列国の趨勢に匹敵しうる、対潜・対空・対水上のどの任務にも対応可能な戦闘艦として計画された。この要求を実現するため、海上自衛隊のワークホースとして初めてセンサー・武器を戦術情報処理装置と連接し、戦闘システムを構築したシステム艦とされており、極めてエポックメイキングな艦である。
 対艦主兵装は、射程約130kmのハープーン・ミサイルである。この227kgの弾頭を持つミサイルは、海面すれすれをマッハ0.9の速度で飛翔する。潜水艦攻撃用には、艦から9kmの地点までMk46ホーミング魚雷を射出することが可能なASROCシステムを搭載している。
 「はつゆき」型は、アメリカまたは日本の航空戦力による援護を受けて水上および水面下の脅威に対処することを目的として建造されたため、長射程の対空兵器は装備していない。搭載しているシー・スパロー対空ミサイル(SAM)の射程はわずか15kmで、CIWSも、対艦ミサイル(SSM)の迎撃および破壊を主目的とした純粋な個艦防御システムである。戦闘システムの構成は、その後たかなみ型(10〜13DD)に至るまで基本的に変化せず、その原型となった。

諸 元

はつゆき型

同型艦:はつゆき(DD122)、しらゆき(DD123)、みねゆき(DD124)、さわゆき(DD125)、はまゆき(DD126)、いそゆき(DD127)、はるゆき(DD128)、やまゆき(DD129)、まつゆき(DD130)、せとゆき(DD131)、あさゆき(DD132)
排水量:基準2,950t(DD122〜128)または3,050t(DD129〜132)、満載3,700t(DD122〜128)または3,800t(DD129〜132)
寸法:全長130.0m、全幅13.6m、吃水4.1m(DD122〜123)または4.2m(DD124〜128)または4.4m(DD129〜132)
推進器:COGOG(2重ガス・タービン推進方式)、ロールスロイス・オリンパスTM3Bガス・タービン2基で出力49,000馬力、ロールスロイス・タインRM1Cガス・タービン2基で出力9,900馬力を供給し、2軸を駆動
速力:30kt(56km/h)
航続距離:20kt(37km/h)で12,975km
兵装:4連装ハープーン発射機2基、Mk29(DD122〜126)またはGMLS-3(DD127〜130)またはGMLS-3A(DD
131〜133)シー・スパローSAM発射機1基、8連装Mk 112 ASROC対潜魚雷発射機1基、OTOメララ76mmコンパクト砲1門、20mm CIWSファランクスMk15 2基、Mk46 Mod5対潜魚雷用3連装324mmタイプ68発射管2基
電子機器:OPS-14B対空捜索レーダー、OPS-18水上捜索レーダー、FCS-2-12(DD122〜123)またはFCS-2-12A(DD124〜130)またはFCS-2-12C(DD131〜133)SAM発射管制/砲射撃指揮レーダー、FCS-2-21A砲射撃指揮レーダー、OQS-4A(AS/SQS-23)艦首格納式アクティブ捜索/攻撃ソナー、OQR-1 TACTASSパッシブ・ソナー(一部の艦に搭載)、Mk36 SRBOCチャフ/フレア発射機
搭載機:SH-60Jヘリコプター1機
乗員:200名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp。

公開日 2022/07/27


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