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ハーミーズ

【第75回】ハーミーズ <空母>


 「ハーミーズ」はイギリス海軍の航空母艦で、最初から空母として建造されたイギリス海軍では初めての艦。「ハーミーズ」とも表記される。艦名は、ギリシア神話に登場する神、ヘルメースの英語読み。

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コマンド空母

▲1938年に撮られた「ハーミーズ」。舷側部に主砲の14cm速射砲が見える。

  イギリス海軍の「ハーミーズ」は当初、従来型軽空母の「セントー」級の6番艦として計画されたが、1945年10月に計画は中止され、同クラスの4番艦に予定されていた「エレファント」が「ハーミーズ」に改名された。1944年に起工されたものの、建造にはまだほとんど手が付けられていなかったために、艦は完全に再設計され、1959年11月に就役した。この艦は6.5°のアングルド・デッキの採用、2基あるエレベーターのうち1基の舷側への配置、および3次元レーダー・システムの装備を特徴としていた。
 1964年から1966年にかけて「ハーミーズ」は、従来の対空兵器である連装40mm対空機関砲に代えて、4連装シーキャット艦対空ミサイル・システム2基を搭載し、アイランドには外側通路が増設された。1971年にはさらなる改装が行われ、984型3次元レーダーが965型“ベッドステッド”システムに交換された。
「ハーミーズ」はシー・ヴィクセン、バッカニア、ガネットなどの固定翼機28機を運用することができたが、より近代的なファントムを運用できなかったため、コマンド強襲空母に改装されることになり、その際に統合的な着艦誘導ライティング・システムが装備された。
 この改装中にはまた、着艦拘束フックとカタパルトが撤去され、海兵隊コマンド部隊とそれに連携するウェセックス強襲ヘリコプター部隊を乗せられるように改造された。1977年には、「ハーミーズ」は再度の改装により対潜攻撃空母となったが、コマンド空母能力は残された。この改装で「ハーミーズ」は、9機のシー・キング対潜攻撃ヘリコプターおよび4機のウェセックスHU.Mk5汎用ヘリコプターの搭載が可能になった。
1980年には、「ハーミーズ」の運用目的変更に伴う3度目の大改装が行われた。この改装では、飛行甲板の強化および、7.5°のスキージャンプ台の艦首への追加が行われて、ウェセックス・ヘリコプターの代わりにシー・ハリアー5機を運用できるようにされた。

フォークランドの航空部隊

▲竣工時の「ハーミーズ」。

 1982年のフォークランド紛争に際して、「ハーミーズ」は通信機能および航空機搭載能力が強化され、旗艦として投入された。「ハーミーズ」は、当初12機のシー・ハリアーFRS Mk.1、9機のシー・キングHAS.Mk5および9機のシー・キングHC.Mk4を運用していた。しかし作戦の進行に従って、最大搭載機数である15機のシー・ハリアーFRS Mk.1、6機のハリアーGR.Mk3、5機のシー・キング対潜ヘリコプターおよび2機のリンクス・ヘリコプター(エグゾセ・ミサイルの囮任務用)に変更された。
 フォークランドでの作戦成功および1983年の作戦展開に引き続き、「ハーミーズ」には1984年1月から4か月におよぶ改装が行われた。その後、「ハーミーズ」は、人手がかかりすぎると考えられたことと、イギリス海軍用のディーゼル燃料を使用できるように改装されていなかったことから、練習艦として港内で使用された。
 冷戦時代の「ハーミーズ」は「インヴィンシブル」級と同様、艦載ヘリコプター用に対潜核爆雷を、またシー・ハリアー用に戦術重力落下式核爆弾を搭載していた。同時期のアメリカ海軍空母との比較から推定して、これらイギリス海軍の空母には15個前後の弾頭が搭載され、そのうち10個程度が対潜攻撃用であったと見られる。
 1986年、「ハーミーズ」はインドに売却され、翌年5月に「ヴィラート」としてインド海軍で就役した。

諸 元

▲ホノルル沖の「ハーミーズ」。

ハーミーズ

排水量:基準23,900t、満載28,700t
寸法:全長226.9m、全幅27.4m、吃水8.7m、飛行甲板幅48.8m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力76,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:28kt(52km/h)
兵装:4連装シーキャットSAM発射機2基(ミサイル約40発)
電子機器:965型対空レーダー1基、993型水上レーダー1基、1006型航海レーダー1基、GWS22シーキャット誘導システム2基、TACANシステム1基、184型ソナー1基、パッシブおよびアクティブ電子対策(ECM)システム数基、コーブス・チャフ発射機2基
搭載機:(通常)シー・ハリアー5機8後に6機、シー・キング対潜ヘリコプター9機
乗員:航空部隊要員合わせて1,350名(さらに750名の海兵隊コマンド部隊員と車両兵員揚陸艇[LCVP]4隻を搭載可能)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/03/27


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