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ホイッドビー・アイランド級/ハーパーズ・フェリー級

【第76回】ホイッドビー・アイランド級/ハーパーズ・フェリー級<揚陸艦>


 「アンカレジ」級ドック型揚陸艦(LSD)を基礎にしたアメリカ海軍の「ホイッドビー・アイランド」級LSDは、「トーマストン」級の後継艦で、1番艦「ホイッドビー・アイランド」は1981年に起工した。同型艦は12隻だが、後期型4隻は舟艇運用能力とバーターに貨物積載能力を増強したサブクラスであり、「ハーパーズ・フェリー」級(LSD-41 CV級)として区別されることもある。

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エアクッション艇の導入

▲ギリシャ、クレタ島に停泊中の「ホイッドビー・アイランド」級ドック型揚陸艦。

 「ホイッドビー・アイランド」級は最初からエアクッション型揚陸艇(LCAC)を運用するように設計された。そのウェル・ドックの大きさは幅15.2m、奥行き134.1mで、艦の全長の72パーセントを占めており、強襲揚陸艦中最多となる4隻のLCACを収容可能である。また、LCU-1610級汎用揚陸艇であれば3隻搭載できる。LCAC  4隻、機動揚陸艇(LCM)21隻または汎用揚陸艇(LCU)3隻を使用してアメリカ海兵隊の1個大隊を揚陸させることが可能である。兵員の揚陸には、AAV7A1水陸両用装甲兵員輸送車64両を使用することもできる。
 LCACは60tの積載能力があり、静水では40kt(74km/h)を超す速力で航行し、さまざまな形態の海岸へ遠距離から強襲揚陸することができる。
 このクラスの1〜8番艦(LSD-41〜LSD-48)とサブクラスの「ハーパーズ・フェリー」級(LSD-49〜LSD-52)との外観上最も顕著な差異は、後者のクレーンが1基であること、前部装備のファランクス近接防御兵器システム(CIWS)の位置が前者では艦橋上部であるが、後者では上部構造物前部の下方に搭載されていることである。

ハードキルとソフトキル

▲2007年10、インド洋を航行中の「ハーパーズ・フェリー」級のUSSカーターホール。

 1993年6月から、「ホイッドビー・アイランド」には迅速反応戦闘能力(QRCC)システムが試験的に装備された。これは、イラン・イラク戦争中の1987年5月17日にフリゲート「スターク」がイラクのエグゾセ・ミサイルの攻撃を受けたことによるもので、RIM116Aミサイル(RAM)、ファランクスCIWSおよびAN/SLQ-32電子戦システムを組み合わせて整合させることが最優先課題とされた。現在では、このシステムは個艦防御システム(SSDS)の名称で「ホイッドビー・アイランド」級の全艦に装備されている。「ホイッドビー・アイランド」級LSDは、「ハーパーズ・フェリー」級LSD-CVは揚陸艇の収容数が少なく、LCAC 2隻、LCM 9隻またはLCU 1隻である。
 「ホイッドビー・アイランド」級は、ハードキル防御用として、航空機およびミサイル対処用の砲およびミサイルを装備するほか、広範囲にわたるソフトキル手段も用意している。強力なESM装置は、接近するミサイルの軌道をそらせるチャフ・ロケットおよびAN/SLQ-49チャフ・ブイ(船体のレーダー反射有効面積[RCS]よりはるかに大きなRCSを作り出す。それほど荒れていない海面状態で数時間有効)と補完し合って完全なソフトキルを実現する。艦に接近しようとする魚雷に対して同様な効果を発揮するニキシー・デコイ・システムも搭載している。
このクラスの最初の2隻の単価は3億ドルを超えており、それ以降の4隻の平均単価は1億5,000万ドルであった。1996年度の1隻あたりの年間運用経費は、約2,000万ドルに上った。

諸 元

「ホイッドビー・アイランド」級

排水量:満載15,726t(LSD-41〜48)/16,740t(LSD-49〜52)
寸法:全長185.8m、全幅25.6m、吃水6.3m
推進器:ディーゼル・エンジン4基で33,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:22kt(41km/h)
航続距離:速力18kt(33km/h)で14,816km
兵装:6砲身20mm CIWSファランクスMk15 2基、Mk38 25mm機関砲2門、12.7mm機関銃8挺以上
ソフトキル機器:Mk36 SRBOC 6連装チャフ発射機 4基、AN/SLQ-25ニキシー音響魚雷デコイ、AN/SLQ-49チャフ・ブイ、AN/SLQ-32レーダー警戒/妨害/欺瞞装置
電子機器:AN/SPS-67水上捜索レーダー、AN/SPS-49対空捜索レーダー、AN/SPS-64航海レーダー
搭載機:CH-53シー・スタリオン2機(プラットフォームのみ)
乗員:士官22名、下士官兵391名
揚陸部隊:402名(非常時627名)
貨物:(LSD-41〜48)一般貨物収容容積141.6m3、車両収容面積(ウェル・ドック内の積載済みエアクッション艇4隻含む)1,161m2 (LSD-49〜52)一般貨物収容容積1,914m3、車両収容面積(ウェル・ドック内の積載済みエアクッション艇2〜3隻含む)1,877m2

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/04/26


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