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ロング・ビーチ

【第79回】ロング・ビーチ  <巡洋艦>


 「ロング・ビーチ」は、第二次世界大戦後のアメリカ海軍が設計・建造した原子力ミサイル巡洋艦。1957年度計画において建造された。世界初の原子力水上戦闘艦であり、ミサイルを主兵装とする初の戦闘艦でもあった。艦名はカリフォルニア州ロングビーチにちなんでいる。

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世界最大の水上戦闘艦

▲フェーズドアレイ式レーダーを備えた箱状の特異な艦橋。

 アメリカ初の原子力推進艦「ロング・ビーチ」(CGN-9)は、当初の計画ではフリゲート・サイズの艦船として建造されるはずであった。しかし、艦の設計コンセプトは急速に発展して、最終的には重巡洋艦級のサイズにまでなった。アメリカ海軍の空母を除けば、「ロング・ビーチ」は第二次世界大戦後に建造された世界最大の水上戦闘艦であった。
「ロング・ビーチ」の原子炉は、空母「エンタープライズ」(CVN-65)のそれと同様の設計であった。1961年7月6日に最初の原子力航海を行った「ロング・ビーチ」は、1965年8月から翌年2月にかけて191,716km以上を航海し、その後に初めての燃料補給を行った。
 対空兵装としては、タロス長距離艦対空ミサイル(SAM)連装発射機1基(ミサイル52発搭載)、テリア中距離SAM連装発射機2基(ミサイル120発搭載)を搭載し、海軍戦術情報処理システム(NTDS)の初期の型を備えた、当時としては革新的なAN/SPS-32/33フェイズド・アレイ対空レーダー・システムも装備していた。
 「ロング・ビーチ」はアメリカ西海岸のサン・ディエゴを母港としていたが、ベトナム戦争で大規模な作戦行動を経験した。1967〜68年には北ベトナム領空深部を飛行するMiG機に向けて、7回にわたりタロス・ミサイルを発射し、2機を撃墜した(1968年の5月および6月)。このときの目標機までの距離は120km以上であった。

強化された装備

▲1989年の艦影。SCANFARやタロスの撤去、トマホークやハープーンの搭載などの改修が完了した。

 ベトナム戦争で得た戦訓により、1968年にはフェイズド・アレイ・レーダーを補完するために在来型のAN/SPS-12対空レーダーが装備された。さらに1970年には、敵味方識別(IFF)システムおよびデジタル式タロス発射管制システムが追加されている。
 1979年には、タロス・システムの旧式化にともない、同ミサイル発射機とレーダーが撤去され、4連装ハープーン艦対艦ミサイル(SSM)発射機2基が追加された。翌年、実用性を失ったフェイズド・アレイ・システムも撤去されてAN/SPS-48およびAN/SPS-49レーダーに置き換えられ、艦橋構造物の四周にあった平板状のアレイ・パネルは装甲板と交換された。2基の20mmファランクス近接防御武器システム(CIWS)も追加され、ソナーは2つ目のドームを追加することなく、パッシブ能力を向上させるよう改修された。1981年には、1970年代後期から使われていたスタンダードSM-1ERミサイルがSM-2ERに置き換えられた。1984〜85年に次の大規模近代化改装が行われ、「ロング・ビーチ」は戦術旗艦指揮センターとなって、ケブラー(アメリカのデュポン社が開発した複合材料であるアラミド繊維)装甲が追加装備された。
 アメリカ海軍は何年もの間、主要な地上攻撃能力を空母に依存してきたが、艦船発射型巡航ミサイルの出現とともに水上艦もこの任務を担うようになった。1985年1月〜10月に「ロング・ビーチ」には、トマホーク巡航ミサイル対艦/対地攻撃システムが装備された。1986年には、「ロング・ビーチ」は朝鮮戦争以降初めて西部太平洋海域に派遣された戦艦戦闘群の一員として、「ウィチタ」級洋上補給艦「ウォバッシュ」(AOR-5)、「スプルーアンス」級駆逐艦「メリル」(DD-976)、「オリバー・ハザード・ペリー」級ミサイル・フリゲート「グレイ」(FFG-51)、「サッチ」(FFG-43)および第二次世界大戦中に建造された「アイオワ」級戦艦「ニュー・ジャージー」(BB-62)とともに機動部隊として航海を行った。

諸 元

ロング・ビーチ

排水量:基準15,540t、満載17,525t
寸法:全長219.8m、全幅22.3m、吃水9.5m
推進器:ウェスティングハウスC1W加圧水型原子炉2基、ギアード蒸気タービンで出力80,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:36kt(67km/h)
兵装:(1981年の改装後)4連装ハープーンSSM発射機2基(ハープーン・ミサイル8発搭載)、連装Mk10スタンダードSM-2ER SAM発射機2基(スタンダードSM-2ERミサイル120発搭載)、8連装Mk16 ASROC ASW発射機(ASROCミサイル20発搭載)、127mm両用砲2門、20mmファランクスCIWS 2基、3連装324mm Mk22 ASW魚雷発射管2基(Mk46魚雷6発搭載)
電子機器:(1981年の改装後)
AN/SPS-48C三次元対空レーダー1基、AN/SPS-10水上捜索レーダー1基、AN/SPS-49B対空捜索レーダー1基、AN/SPG-55Aスタンダード発射管制レーダー4基、NTDS 1基、電子戦支援装置(ESM)1基、Mk36 SRBOC 4基、AN/SQQ-23B捜索/攻撃ソナー1対
搭載機:なし。ただしヘリコプター発着甲板を装備
乗員:1,160名+旗艦の場合68名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/07/30


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