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サー・ランスロット/サー・ベディヴィア級

海を舞台に繰り広げられた戦いの主役から、航空戦力等のサポート役などその役割を変えてきた様々な軍艦をピックアップします。


 「サー・ランスロット」、「サー・ベディヴィア」は、イギリス海軍補助艦隊(RFA)が運用していたラウンドテーブル型支援揚陸艦。艦名がいずれも円卓の騎士に由来する。1番艦の艦名から「サー・ランスロット」級とも呼ばれる。「サー・ランスロット」は1963年に発注された。

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陸軍から海軍へ

▲フォークランド諸島の海峡に停泊する「サー・ランスロット」。

 「サー・ランスロット」は、兵員、車両、戦車を揚陸させる能力を持つ補給揚陸艦(LSL)として、イギリス陸軍向けに計画された「サー・ランスロット」級の試作艦である。同級の残りの5隻、「サー・ベディヴィア」、「サー・ジェレイント」、「サー・ガラハド」、「サー・パーシヴァル」、「サー・トリストラム」は、やや改良が加えられた「サー・ベディヴィア」級として建造された。これら両級は、1970年にイギリス海軍補助艦隊(RFA)に編入された。
 6隻は1982年のフォークランド紛争の際、イギリス海軍機動部隊とともに行動した。「サー・ガラハド」と「サー・トリストラム」は6月8日にアルゼンチン軍航空機の攻撃を受け、大破した「サー・ガラハド」は、大西洋上に曳航されて沈没処分にされた。「サー・トリストラム」のほうは回収可能で、その後フォークランド紛争が終わるまで、ポート・スタンリーで宿泊船として過ごした。紛争の終結とともに「サー・トリストラム」はイギリス本国へ曳航され、大規模な修理を受けた。
 ニューカースルのタイン・シップ・リペアラー社が「サー・トリストラム」の修復を請け負い、数か所の大きな改修が施された。作業は1985年10月に完了し、その結果、船体が約9m延長され、チヌーク・ヘリコプターを運用できるように発着甲板が拡大された。また艦橋は、アルミニウム製から鋼鉄製に変更された。さらに衛星通信(SATCOM)システムとヘリコプター管制レーダーを含む新システム一式も取り付けられた。
 「サー・ランスロット」級の残りの艦も、その後同じ規格に改修された。1991年の湾岸戦争時には同級の残存艦4隻が展開したが、これらには20mm機関砲、ミサイル・デコイ・システムおよび航法機器が追加装備された。

揚陸作戦用の設計

▲ブラジル海軍の「サー・ベディヴェア」。

 「サー・ランスロット」級は揚陸作戦用に設計されており、艦首と艦尾にはロールオン/ロールオフ用のランプが備えられている。また艦内にも2つの貨物デッキをつなぐランプが設けられている。貨物デッキには、主力戦車(MBT)16両、各種車両34両、弾薬30tおよびガソリン、石油、潤滑油合計120tを搭載することができる。積み降ろし用に艦前部に4.5tクレーンが2基、艦橋前に20tクレーン1基が備えられている。さらに、メグゼフロート自走式浮遊プラットフォーム2基を搭載でき、これらは兵員や車両を浜辺へ降ろすポンツーンとして使われる。
 どちらの級も、艦尾と前部甲板にヘリコプター発着甲板があるが、ヘリコプター用の格納庫や整備施設は備えていない。しかし車両デッキに9機のヘリコプターが格納でき、さらに11機を戦車および装甲車両デッキに格納することができる。
 これら全艦は、現在では、より大型でドック型を採用したベイ型補助揚陸艦(LSD(A))によって代替され、RFAでの運用は終了している。

諸 元

「サー・ランスロット」級
同型艦(就役年):

サー・ランスロット(1964)
サー・ガラハド(初代)(1966)
サー・ベディヴィア(1967)
サー・トリストラム(1967)
サー・ジェレイント(1967)
サー・パーシヴァル(1968)
排水量:満載5,550t(「サー・ランスロット」)/5,674t(その他)
寸法:全長125.1m、全幅19.6m、吃水4.3m
推進器:ディーゼル2基で9,400馬力(サー・ランスロットは9,520馬力)を供給し、2軸を駆動
速力:17kt(31km/h)
兵装:40mm Mk9対空砲2門、エリコン20mm対空機関砲2門を装備、加えて7.62mm汎用機関銃数挺とブローパイプ携行用SAM発射機数基を搭載
電子機器:タイプ1006航海レーダー1基
搭載機:ウエストランド・ウェセックスHU.Mk5 3機またはウエストランド・シー・キングHC.Mk4 2機またはウエストランド・ガゼルAH.Mk1 3機またはウエストランド・リンクスHAS.Mk3/3S/3
SGMまたはHMA.Mk8 3機
乗員:69名(士官18名、船員51名)
兵員:標準340名、最大534名
貨物:(最大)MBT 18両および4tトラック32両と一般貨物90t。ガソリン、石油、潤滑油合計120tおよび弾薬30t
(サー・ランスロットはMBT 16両、4tトラック25両のほかは同じ)。メグゼフロート自走式浮遊プラットフォーム2基を全艦が搭載可能

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2019/09/26


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