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ブルー・リッジ級

【第88回】ブルー・リッジ級  <揚陸艦>


 「ブルー・リッジ」級揚陸指揮艦は、アメリカ海軍の揚陸指揮艦で艦隊の指揮を執るための専用艦である。武装は軽微であるが、充実した指揮・通信設備を搭載している。1番艦「ブルー・リッジ」は西太平洋第7艦隊の旗艦となり、2番艦「マウント・ホイットニー」は大西洋第2艦隊の旗艦となった。

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艦隊指揮の専用艦

▲2012年に撮影された「ブルー・リッジ」(LCC-19)。

 「軍における指揮・統制および通信の確保は重要である。特に水上艦船、陸上部隊・航空部隊が交錯する揚陸戦においては、特にその確保が求められる。アメリカ海軍は、戦艦、巡洋艦、航空母艦、輸送艦などの大型艦に司令部人員を搭乗させ、指揮にあたらせてきたが、特に多くの司令部要員を必要とする揚陸戦の指揮艦については、戦闘艦艇の限られた司令部区画では手狭であるため、第二次世界大戦以降は輸送艦改造の指揮艦を用いてきた。
 アメリカ海軍の「ブルー・リッジ」級空陸海統合型強襲揚陸指揮艦2隻は、強襲揚陸指揮専用艦として建造された世界最初にして唯一の艦である。3番艦(最初から揚陸艦と艦隊指揮艦の両用として設計された)も計画されたが、これは中止された。1970年代後期に旧式の「クリーヴランド」級旗艦巡洋艦が退役したため、「ブルー・リッジ」級は艦隊旗艦任務も引き継ぐことになった。
 1960年代においてアメリカ海軍が使用していた揚陸指揮艦は第二次大戦中に建造されたものであり、旧式化が進み、それらを更新するために本級が建造された。1963年から検討計画が開始され、1967年に1番艦が起工、1970年から就役した。

広範な指揮・通信・管制設備

▲太平洋を航海中の第7艦隊指揮艦「ブルー・リッジ」(LCC-19)。

 「ブルー・リッジ」級の基本的な船体設計および推進器は「イオージマ」級強襲揚陸艦(LPH)のものと類似しているが、大型の格納庫部分は最大200名の士官と500名の下士官からなる旗艦要員用の居住区画、オフィス、管制室に割り当てられている。また、本クラスには、衛星通信、指揮、管制、情報分析のための広範な設備が装備されており、これらには、揚陸指揮情報システム(ACIS)、海軍情報処理システム(NIPS)、水中、水上、空中の戦況を画面に表示するAN/UYK-20およびAN/UYK-7デジタル・コンピューターを備えた海軍戦術データ・システム(NTDS)、NTDSを装備した艦船と航空機搭載戦術データシステム(ATDS)を装備した航空機との間で戦術情報の交換を可能にするリンク11およびリンク14自動データ伝送システム、大規模な写真室、文書出版設備、そして、OE82アンテナ、SSR-1受信機、WSC-3送受信器を備えた衛星通信システムなどが含まれる。
 「ブルー・リッジ」級は3隻のLCP(人員揚陸艇)、2隻のLCVP(車両人員揚陸艇)、1隻の10m長兵員ランチ(大型ボート)を、艦の舷側から張り出したスポンソンにあるウェルヴィン・ダビット(腕架)に搭載している。艦尾にはヘリコプターの発着スポットが設けられており、必要に応じてSH-60Bなどのヘリコプター1機を運用するが、艦上に格納庫や整備施設はない。小型車両用の車庫およびエレベーターは備わっている。今後、Mk23目標捕捉システム(TAS)およびRAMミサイルが追加されることになっている。

諸 元

ブルー・リッジ(LCC-19)、マウント・ホイットニー(LCC-20)
就役:(LCC-19)1970年11月14日、(LCC-20)1971年1月16日

排水量:満載19,290t
寸法:全長189.0m、全幅25.0m、吃水8.8m
推進器:ギアード蒸気タービン1基で22,000馬力を供給し、1軸を駆動
速力:最大23kt(43km/h)、巡航20kt(37km/h)
兵装:連装Mk33 76mm対空砲2基(1996〜97年に撤去)、8連装Mk25シー・スパローBPDMS(個艦防空ミサイル・システム)発射機2基(20mm CIWSファランクスMk16 2基に換装)
電子機器:AN/SPS-48 3次元捜索レーダー1基、AN/
SPS-10水上捜索レーダー1基、AN/SPS-40対空捜索レーダー1基、Mk115ミサイル発射管制装置2基、目標指示システム1基、Mk56砲射撃指揮装置2基、Mk35砲射撃指揮レーダー2基、Mk36スーパーRBOCチャフ発射機および関連ESM  1基、AN/
URN-20 TACAN(戦術航法装置)1基
乗員:(LCC-19)799名(士官41名+下士官758名)、(LCC-20)516名(士官41名+下士官475名)
旗艦要員:(LCC-19)250名(士官50名+下士官200名)、(LCC-20)420名(士官160名+下士官260名)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2020/04/27


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