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ローリー級、オースティン級

【第90回】ローリー級、オースティン級  <揚陸艦>


 ドック型揚陸艦は、艦内に持つウェル・ドックに収容した上陸用舟艇を用いた揚陸を主体として行う軍艦。「 ローリー」級ドック型輸送揚陸艦はアメリカ海軍が運用していた。揚陸輸送艦 (LPA) と貨物揚陸艦(LKA)の機能を統合したもので、強襲揚陸艦の元祖とされている。「オースティン」級ドック型輸送揚陸艦はローリー級に次いで建造された。

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ローリー級

▲1962年から 2005年まで就役した「ローリー」(LPD-1)。1968年撮影。

 ドック型輸送揚陸艦(LPD)はドック型揚陸艦(LSD)を発展させたものであり、ウェル・ドックの寸法を縮小して兵員や車両の搭載スペースを増加させている。LPDは、本質的にはLSDの車両および上陸艇搭載能力、APA(攻撃輸送艦)の兵員輸送能力、そしてAKA(攻撃貨物輸送艦)の貨物輸送能力を1つの船体に統合した艦である。「ローリー」級3隻のうち1隻は中東軍司令部の旗艦(指揮艦)に転換され、この「ラ・サール」は、地中海で旗艦として作戦行動をとり、2004年夏季オリンピックの際は、ギリシア水域のNATO軍の調整を行い、2005年に退役した。
 「ローリー」級は艦尾に全長51.2m、幅15.2mのウェル・ドックを持ち、ここに、LCU(汎用揚陸艇)1隻とLCM6(機動揚陸艇)3隻、LCM8  4隻、AAV7(水陸両用強襲車両)20両のいずれかを収容することができる。さらにLCM6 2隻またはLCPL(人員揚陸艇)4隻がヘリコプター・デッキに搭載され、これらはクレーンで艦の外へ吊り下ろされる。ヘリコプター・デッキはウェル・ドックの上部に設けられているが、艦上に格納庫や整備設備はない。このため短期間に限って最大6機のCH-46ヘリコプターをデッキから運用することができる。前方貨物室からウェル・ドック内の上陸艇に貨物を積むため、頭上にはモノレール式貨物移送装置が取り付けられている。車両デッキ、ウェル・ドック、飛行甲板はランプで結ばれ、飛行甲板は必要に応じて追加の車両を駐車させるためにも使われる。船体舷側にあるポートは、ドックが使えるとき車両のロールオン/ロールオフに使用される。

オースティン級

▲南米沖での演習に参加した「オースティン」(LPD-4)。

 「ローリー」級の拡大版が「オースティン」級である。ウェル・ドックは同じ寸法であるが、車両および貨物積載能力を増大させるためにウェル・ドックの直前に12mの延長部が挿入されている。固定飛行甲板がウェル・ドックの真上にあり、2か所の発着スポットを有する。LPD-4以外の全艦に長さ17.7〜19.5m、幅5.8m〜7.3mの間で広さを変えられる格納庫があり、必要なら全長を24.4mまで延ばせる。最大6機のCH-46を運用することができるが、格納庫には汎用ヘリコプター1機のみが収容可能である。
AAV7の収容能力は28両に増加し、その代わりにLCU 1隻とLCM6 3隻、LCM6 9隻、LCM8 4隻のいずれかを積むこともできる。LPD-7〜LPD-13は揚陸小艦隊旗艦任務用の設備を備えており、艦橋構造物デッキが追加されている。
 「ローリー」級、「オースティン」級はともに、LCC(揚陸指揮艦)に装備されているものと同じタイプの衛星通信システムを有している。「オースティン」級の5隻は大西洋艦隊と、「ローリー」級の6隻は太平洋艦隊と行動をともにした。「コロナド」(LPD-11)は「ラ・サール」の一時的な代替として1980年に改造されて指揮艦となり、サン・ディエゴを母港とし、1997年以来統合部隊指揮艦として作戦行動を行った。「オースティン」は2006年に退役した。

諸 元

ローリー級、オースティン級

同型艦:「ローリー」(LPD-1)、「ヴァンクーヴァー」(LPD-2)、「オースティン」(LPD-4)、「オグデン」(LPD-5)、「ダルース」(LPD-6)、「クリーヴランド」(LPD-7)、「ドゥブク」(LPD-8)、「デンヴァー」(LPD-9)、「ジュノー」(LPD-10)、「シュリーヴポート」(LPD-12)、「ナッシュヴィル」(LPD-13)、「トレントン」(LPD-14)、「ポンセ」(LPD-15)
就役:1962〜1971年
排水量(満載):(LPD-1/2)
13,930t、(LPD-4/6)15,900t、(LPD-7/10)16,550t、(LPD-11/13)16,900t、(LPD-14/15)17,000t
寸法:全長159.1m、全幅30.5m、吃水6.7m(LPD-1/2) 全長173.8m、全幅30.5m、吃水7.0m(LPD-4/15)
推進器:ギアード蒸気タービン2基で出力24,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:最大21kt(39km/h)
貨物:(LPD-4/15、ただしLPD-1/2の数字は若干少なめ)計1,034.1m2の車両駐車区域、LCU 1隻とLCM6 3隻またはLCM6 9隻またはLCM8 4隻またはAAV7 28両、616m3のパレット状貨物または472m3の弾薬、5,900
rのMOGAS(自動車用
ガソリン)、368,425rのAVGAS(航空用ガソリン)、17,035rのAV-LUB(航空用潤滑油)、850,095rのJP5航空機燃料
兵装:(LPD-1/2)連装Mk33 76mm対空砲3基、(LPD-4/15)連装Mk33 76mm対空砲2基(現在は撤去)、20mm Mk16ファランクスCIWS 2基(全艦)
電子機器:AN/SPS-10水上捜索レーダー1基、AN/
SPS-40対空捜索レーダー1基、AN/URN-20 TACAN 1基、Mk36スーパーRBOCチャフ発射機1基
乗員:(LPD-1)413名(士官24名+下士官389名)、(LPD-2)410名(士官23名+下士官387名)、(LPD-4/15)410〜467名(士官24〜25名+下士官386〜442名)
旗艦要員:(LPD-7/15)90名
兵員:(LPD-1/6)930名、(LPD-7/13)840名、(LPD-14/15)930名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2020/06/29


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