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ハーミーズ

【第96回】ハーミーズ <航空母艦>


 「ハーミーズ」 はイギリス海軍の航空母艦。 計画時から車輪つき航空機を運用する空母として建造された、世界ではじめての軍艦である。艦名は、ギリシア神話に登場する神、ヘルメースに由来する。

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「ハーミーズ」の建造

▲竣工時の「ハーミーズ」。

 1918年初頭、全通甲板を持つイギリス海軍の空母「アーガス」の開発理念が正しかったことはすでに明らかになっており、空母「ハーミーズ」は、「アーガス」の完成を待たずに起工された。「ハーミーズ」は最初から空母として設計されたが、当然ながら運用経験から得られた教訓などはまだ存在せず、前例がないため同艦の設計者は艦を小さく設計し過ぎた。翌年急いで起工された日本海軍初の空母である「鳳翔」も同じ過ちを繰り返している。
 第一次世界大戦が終結したため、建造ペースはゆっくりで、「ハーミーズ」は1919年9月に進水し、完成は1923年にまでずれ込んだ。その結果「ハーミーズ」は、戦艦からの改造艦で、かなり大型の「イーグル」よりも後に就役することになった。「イーグル」はその間にアイランド上部構造物のアイデア検証用に使用されていた。「ハーミーズ」のアイランドは、「イーグル」と同様、不釣合いに大きく、戦艦スタイルの三脚と戦闘楼が取り付けられ、6門の140mm砲用の測距儀が装備されていた。初期の空母では、航空機運用能力がまだ適正に評価されておらず、ある程度の海上攻撃は空母自身が撃退できるように企図されていたのである。また軽い装甲帯も組み込まれていた。「アーガス」から改良された点としては、出力が2倍になり、速力が4kt(7km/h)以上増加したことが挙げられる。飛行甲板後部には特徴的な低い隆起があったが、これは着艦機を減速させるためのものだった。この特徴は「鳳翔」にもコピーされたが、有効性が認められなかったため、両艦とも結局廃止された。

価値ある貢献

▲日本軍の攻撃を受けて炎上する「ハーミーズ」。

 「ハーミーズ」は黎明期の小型空母のために搭載機が20機程度しかなく、しかも25ノットの低速であり、飛行機搭載母艦としての性能には限界があった。第二次世界大戦で、「ハーミーズ」は旧式艦ながら、低脅威地域において価値ある貢献をした。同艦は大西洋で襲撃艦を攻撃し、北アフリカのヴィシー・フランス軍や紅海のイタリア軍に対する索敵任務や偵察任務に就いた。また1941年のイラクの暴動制圧における沿岸支援や、インド洋での船団護衛などでも活躍している。
 太平洋戦争がはじまると、イギリス軍は開戦劈頭のマレー沖海戦で東洋艦隊の主力艦2隻(「プリンス・オブ・ウェールズ」、「レパルス」)を失い、司令長官トーマス・フィリップス提督も戦死した。 「ハーミーズ」は東洋艦隊に配属され、2月にコロンボに到着した。 「ハーミーズ」は第814飛行隊のソードフィッシュを乗せ、駆逐艦「ヴァンパイア」と合流して対潜哨戒にあたるため出港、2隻(「ハーミーズ」、「ヴァンパイア」)がトリンコマリー港に入港した後、2月に飛行隊は降ろされ、3月中旬、東洋艦隊のB部隊に編入された。
 「ハーミーズ」は、1942年4月、東洋艦隊に所属してセイロン島東岸トリンコマリー沿岸を航行中、セイロン島沖で日本海軍・南雲機動部隊、「蒼龍」、「赤城」、「飛龍」の艦載機からの空襲を受けて随伴駆逐艦と共に沈没した。小型の飛行甲板しか持たない空母でも、ほかに航空支援が存在しない場所では十分に戦術的価値があることを「ハーミーズ」は生涯を通じて実証したと言える。「ハーミーズ」は軍歴のほとんどを極東で送ったのだ。

諸 元

ハーミーズ
排水量:基準10,850t、満載12,950t
寸法:全長182.3m、全幅21.4m、吃水6.9m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力40,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:25kt(46km/h)
装甲:舷側51〜76mm、格納庫25mm、防御壁25mm
兵装:140mm砲6門、102mm対空砲3門
搭載機:約20機
乗員:660名(航空機搭乗員除く)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2020/12/21


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