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セーレム、オレゴン・シティ

【第97回】セーレム、オレゴン・シティ <巡洋艦>


 「セーレム(セーラム)」は、アメリカ海軍の重巡洋艦。「デモイン」級重巡洋艦の2番艦。その名を持つ艦としては3隻目。 「オレゴン・シティ」は、アメリカ海軍の重巡洋艦。「オレゴン・シティ」級重巡洋艦の1番艦で艦名はオレゴン州オレゴンシティに因む。

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完成の域に達した巡洋艦

▲1952年6月16日、イタリアに向かう途中、地中海で進行中の「セーレム」(CA-139)。

 第二次世界大戦には間に合わなかったが、アメリカ海軍の「デモイン」級重巡洋艦「セーレム」は、第二次世界大戦時代の艦と呼ぶにふさわしい存在であり、通常型巡洋艦として完成の域に達している。「セーレム」はマサチューセッツ州クインシーのベスレヘム・スチール社、フォアリバー造船所で1945年7月4日に起工する。1947年3月25日にメアリー・G・コッフィーによって命名、進水し、1949年5月14日に艦長J・C・ダニエル大佐の指揮下就役した。「セーレム」の主砲は、世界初の自動装填砲だ。
 1952年4月19日に「セーレム」は3度目の地中海配備に向かい、4月28日にアルジェでニューポート・ニューズと交代した。港湾訪問および訓練を行ったあと、「セーレム」は多国籍演習「ビーハイヴ II (Beehive II)」に参加する。
 1958年6月、「セーレム」は地中海から帰還すると不活性化が行われる予定であったが、1958年8月にレバノンのシャムーン大統領による暴動鎮圧の支援要請が行われたため、不活性化は延期。「ノーザンプトン」と第2艦隊旗艦任務を交代し、9月2日にノーフォークを出航、10日間の地中海巡航でオーガスタ湾およびバルセロナを訪問、9月30日にノーフォークに帰還した。
 1959年1月30日に退役し、大西洋予備役艦隊入りしフィラデルフィア海軍造船所で保管された。

対空兵装の変遷

▲1946年6月、サチューセッツ州プロビンスタウンの北東約16 kmを進行中の「オレゴン・シティ」(CA-122)

 「オレゴン・シティ」級もまたそれ以前の「ボルティモア」級の設計を整理したものであった。「オレゴン・シティ」級と「ボルティモア」級は全長205.7mという共通の船体を有していたが、「オレゴン・シティ」級では砲の射界を拡大するため、1本煙突とよりコンパクトになった上部構造物を採用していた。
 これらの艦はいずれも、3連装203mm砲塔3基に加えて、上部構造物の両舷に127mm連装砲台各3基を対称に配置するという、典型的なアメリカ式の配列を採用していたが、対空戦闘の様相の変遷を反映して、「ボルティモア」級の40mm機関砲最大52門という装備が、後の「オレゴン・シティ」級では76mm砲20門に代わり、「セーレム」では最初から76mm砲24門が搭載されていた。
この砲は、日本軍の特別攻撃機を無力化するだけでなく、ばらばらに破壊するのに十分な威力を備えていた。しかし、「セーレム」における最大の革新的特徴は全自動主砲の採用であり、このため、より大きな容量と弾薬庫スペースが必要になったことを反映して、艦の寸法も大きくなっている。
 上記の3つのクラスはすべて、広々とした船体のおかげで適切な防御を施すことが可能となっていたが、「セーレム」では特にそれが顕著だった。興味深いことに、アメリカの戦時重巡洋艦計画によるこれら3つの極めて密接に関連したグループはすべて、「ブルックリン」級の設計を取り入れて建造され、1939年に完成した203mm砲搭載型艦「ウィチタ」を原型としていた。
 「オレゴン・シティ」級は4隻で構成され、これらも第二次世界大戦での活動には間に合わなかった。「オレゴン・シティ」、「オールバニー」、「ロチェスター」はいずれも1946年に就役し、127mm主砲を搭載した指揮統制艦という異なった設計で建造された「ノーサンプトン」は1953年に就役した。「オールバニー」は1959〜62年に改装され、タロスおよびターターを装備する新しいミサイル巡洋艦クラスの1番艦となった。
 「デモイン」級重巡洋艦3隻は、最後にベトナムで使用された後、1980年代まで予備役艦隊に残っていた。これらの艦が搭載する通常型兵器は有用と考えられ、弾薬の強化と相まって艦の能力は依然として非常に高いと評価された。その寿命を制限するものは、船体材料の腐食や亀裂状態のみであった。

諸 元

セーレム

同型艦(進水年):「デモイン」(1946)、「ニューポート・ニューズ」(1947)、「セーレム」(1947)
排水量:基準17,000t、満載21,500t
寸法:全長218.4m、全幅23.3m、吃水6.7m
推進器:ゼネラル・エレクトリック・ギアード・タービンで120,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:33kt(61km/h)
装甲:舷側152〜203mm、甲板76mm、砲塔152mm、砲台152mm、司令塔203mm
兵装:203mm砲9門、127mm両用砲12門、76mm両用砲24門、20mm対空機関砲12門
搭載機:水上機4機
乗員:1,860名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2021/01/27


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